浴女たち オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
この絵画は初期の頃からルノワールが追い続けて「裸婦」の集大成と言われるもので、1919年に死去したルノワールが残した遺書のような作品とも言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
暖かい赤、及び、サーモンピンクは、晩年のルノワールの特徴と言われるものです。地中海の豊かな自然に育まれた健康な裸婦は、生命の象徴です。
自由奔放かつ芳醇な筆触による多種多様な色彩は観る者の眼を惹きつけます。ルノワールが追求した理想的な裸婦(ヴィーナス)がいる風景を斬新かつ効果的に表現しています。
オルセー美術館所蔵。
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バラを飾るガブリエル オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
ルノワールが70歳の時の作品です。持病のリューマチに悩まされながらも不屈の闘志で描いたと言われます。
豊潤で女性らしさに満ちたガブリエルの上半身の存在感、花弁が幾重にも重なりこんもりと柔らかなバラの花の質感、薔薇の花を髪飾りのようにして頭に当あてる女性らしい仕草、それらの相乗効果が見事に融合して、モニュメンタルとも言える女性美を表現しています。
オルセー美術館所蔵。
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ブージヴァルのダンス オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
田舎のダンス、都会のダンスと同年に発表された作品で、これらをダンスの3部作と呼ばれています。ダンスの3部作は、ルノワールがルネサンスの古典美術に触発され、それまでの印象派様式からドミニク・アングル風の様式へ移っていくきっかけとなった作品です。
具体的に観て行きましょう。
場所は郊外のダンスホール。麦わら帽子の男と赤い帽子の女が踊っています。足元に散らかったタバコの吸い殻が、庶民の楽しみの場であることを物語っています。流行の最先端である薄紅色のドレスは、ブラウスとスカートのアンサンブルです。
ルノワールの特徴である震え動くようなタッチは少なく、外光主義への拘りも薄れています。ルノワールの興味がルネサンス古典美術へ移って来ているのが伺える作品です。
ボストン美術館所蔵。
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ド・マルゴといわれる女の肖像 オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
ルノワールは、物の固有色という固定観念を否定し、目に映る色彩をそのままキャンバスに写し取ろうとしました。また思い切った輪郭線をぼかす手法を使って、絵画を描きました。
具体的に観て行きましょう。
作成途中の作品で未完成。しかし、下塗りから仕上げへともっていくルノワールの技法や製作過程を窺える貴重な作品です。
愛くるしい少女の横顔は既に完成しています。
オルセー美術館所蔵。
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ぶらんこ オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
ルノワールは、物の固有色という固定観念を否定し、目に映る色彩をそのままキャンバスに写し取ろうとしました。
具体的に観て行きましょう。
モデルたちは、花びらに覆われた森の辻道の上に立っています。その道の上で、こちらに背を向ける男が、ブランコに乗る少女に近づき、幼い女児がそれを見ています。
もうひとりの男は、木の幹によりかかって視線をその二人の方に投げかけています。ブランコの少女の頭に被った帽子とピンク色のドレスが、絵の魅力を増幅させています。
木漏れ日が青白い光の破片をそこかしこに落とし、とりわけ衣服や地面に鮮やかな模様を描いています。
オルセー美術館所蔵。
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コンサートにて オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
ルノワールは、物の固有色という固定観念を否定し、目に映る色彩をそのままキャンバスに写し取ろうとしました。
具体的に観て行きましょう。
肘をついて座る正面向きの女性が着ている衣装の黒。マネを別にすれば、印象派が敬遠した黒をルノワールほど効果的に使った画家はいません。また女性二人を横に並ばさないことによって、リラックスした雰囲気を醸し出しています。
アメリカのマサチューセッツ州クラーク・アート・インスティテュート所蔵。
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セーヌ川の舟遊び オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
ルノワールは、物の固有色という固定観念を否定し、目に映る色彩をそのままキャンバスに写し取ろうとしました。また、パレット上で絵具を混ぜず、細かなタッチをキャンバスに並べることで、臨場感を伝えるとともに、思い切った輪郭線をぼかす手法を使って、絵画を描きました。
それでは、具体的に観て行きましょう。
明るい陽光あふれるセーヌ川に浮かぶボート。ボートに乗る二人の女性の白いドレスは、さわやかな季節を感じさせます。
彼女たちは簡単なタッチで描かれ、顔はほとんど特定できませんが、思い切った輪郭線をぼかす手法を使って、この憩いの場の幸福感、高揚感を表現しています。
また、何よりも、自然の光とこれを映した水面が、この絵の主題としてクローズアップさせることに成功しています。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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田舎のダンス オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
「都会のダンス」と対をなし、ルネサンスの古典美術に触発され、それまでの印象派様式からドミニク・アングル風の様式へ移っていくきっかけとなった作品です。
具体的に観て行きましょう。
栗の木の下で踊る男女を描いています。明るく陽気な雰囲気に溢れており、女性の衣服にも黄色い手袋、赤い帽子など温かい色彩が使われています。
ルノワールの特徴である震え動くようなタッチが消えて、平塗りが目立ちます。人物の形態、輪郭からも曖昧さが消えています。
女性がかざしている日本の扇にルナわーるの日本趣味が伺えます。
オルセー美術館所蔵。
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ピアノに向かう娘たち オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
光の効果を探求した印象派時代から、線描を重要視した古典主義時代を経て辿り着いた、ルノワール独自の様式で描かれた作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
流動的で大ぶりな筆触によって表現される、娘たちの愛らしい表情や頭髪、衣服の動き、柔らかい肌の質感などの描写から、「安らぎ」「ぬくもり」「家庭的」といった雰囲気を醸して出しています。
また娘たちのの赤色と白色の対称的な衣服や、鮮やかなリボンや腰布の青色、カーテン部分の緑色などは、ソフトでデリケートな色彩にまとめています。
そして、二人の娘たちの構図的な一体感と、心をひとつにして集中している精神的な一体感が、この絵に親しみやすさと心地よさを与えています。
ルノワールは「人生には不快なものがたくさんある。これ以上不快なものをつくる必要はない」と語っています。
オルセー美術館所蔵。
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