印象・日の出 クロード・モネ



印象派を代表するフランスの画家、クロード・モネの作品(1869年頃)です。
本作はモネが手がけた最も有名な作品のひとつであると共に、印象派の名前の由来となる美術史上、重要な意味を持つ作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
フランス北西部の都市ル・アーヴルの港の風景をやわらかい筆の動きで描いた作品です。モネの最も特徴的な手法である筆触分割(※1)を用いて描かれています。
伝統的な風景画は水平線をキャンバスの下部に引き、空を大きく描くのに対して、本作は水平線をあえて上部に置くことで光が反映する水面を大きくとらえています。これにより細部を簡略化し、全体のバランスを重視する表現が効果的に表れています。波模様はすばやい厚塗りの筆さばきにより簡略に描き上げられ、青い時を朝陽が照らす光景は色彩も限定されています。
当時の批評家ルイ・ルロワは「印象?たしかに私もそう感じる。しかしこの絵には印象しかない。まだ描きかけの海景画(壁紙)の方がマシだ。」と本作を嘲笑する記事を諷刺新聞に寄稿しました。
この記事によって、反伝統のバティニョール派が開催した最初の独立展覧会に出典した画家ら(モネ、ルノワール、エドガー・ドガ、カミーユ・ピサロ、ギヨマン、ベルト・モリゾ、セザンヌ、シスレーなど)は印象派と呼ばれるようになりました。
※1:筆触分割:色彩分割とも呼ばれ、細く小さな筆勢によって絵具本来の質感を生かした描写技法
マルモッタン・モネ美術館(パリ)所蔵
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