アニエールの水浴 ジョルジュ・スーラ

新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した19世紀末フランス画家、ジョルジュ・スーラのデビュー作です。
スーラは合理的で数学的なものへの情熱を絵画へ注ぎ、構図、色彩、光などの緻密な計算を基に絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。画面前景には、川岸で寝そべったり、体育座りをしたりしてゆったりとくつろいでいる男性の他に、川の中に入って水浴びをしている少年の姿が描かれています。
物の色彩には、光が直接当たる部分や陰になる部分、反射光や周囲の色の影響を受ける部分、対象の周囲に感じられる補色などがあります。スーラは、それらの色彩を可能なかぎり精細に分析し、それぞれに応じた量の色の点を粘り強く画面に並べ、好天の日の長閑な情景を表現しました。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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グランド・ジャット島の日曜日の午後 ジョルジュ・スーラ

新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した19世紀末フランス画家、ジョルジュ・スーラの代表作のひとつです。個人的にも一番好きなスーラ作品です(^^)。
スーラは合理的で数学的なものへの情熱を絵画へ注ぎ、構図、色彩、光などの緻密な計算を基に絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作品は、パリ近郊のセーヌ川の中州で夏の一日を過ごす人々を描いています。
ここで用いられた点描法は、近くで見ると小さな色点の集積に過ぎませんが、離れて見ると隣り合った色同士が混ざり合って見えます。それはパレット上で、その2色を混ぜ合わせた場合よりもずっと明るく、みずみずしい作品となっています。
物の色彩には、光が直接当たる部分や陰になる部分、反射光や周囲の色の影響を受ける部分、対象の周囲に感じられる補色などがあります。スーラは、それらの色彩を可能なかぎり精細に分析し、それぞれに応じた量の色の点を粘り強く画面に並べ、完成させた作品です。
シカゴ美術研究所所蔵。
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サーカス ジョルジュ・スーラ

新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した画家、ジョルジュ・スーラの代表作のひとつで、遺作ともなった作品です。本作は分割描法(点描画法)の理論が最も印象的に適用された作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
ステージと演者の空間、及び、座席と観客の空間が並置されています。ステージと演者の空間では、画面中央に配される女性の曲馬師や白馬、画面前景に大胆に配される道化師、右端に配される鞭を持った黒服の男、サーカス小屋の丸い壁などに構成される画面に曲線を多用し、画面の中で弾むように躍動させる事で、サーカスの愉快な雰囲気を表現しています。
一方、座席と観客の空間では、厳格で直交性があり、動きはなく、幾何学的な形状をしています。また上段から下段に向けて富裕層が多くなり、当時の社会的階級区分が表現されています。
そして、青と黄色、橙色、白色の四系統の色彩で画面は構成され、混じり気のない光である白色がキャンバスを支配しています。
また外枠もこの作品の重要な一部分です。キャンバスに直接描かれた暗い境界と、それと同じ色合いの青が使われた平らな枠の両方で絵が分離されています。
オルセー美術館所蔵。
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