アニエールの水浴 ジョルジュ・スーラ



新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した19世紀末フランス画家、ジョルジュ・スーラのデビュー作です。
スーラは合理的で数学的なものへの情熱を絵画へ注ぎ、構図、色彩、光などの緻密な計算を基に絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。画面前景には、川岸で寝そべったり、体育座りをしたりしてゆったりとくつろいでいる男性の他に、川の中に入って水浴びをしている少年の姿が描かれています。
物の色彩には、光が直接当たる部分や陰になる部分、反射光や周囲の色の影響を受ける部分、対象の周囲に感じられる補色などがあります。スーラは、それらの色彩を可能なかぎり精細に分析し、それぞれに応じた量の色の点を粘り強く画面に並べ、好天の日の長閑な情景を表現しました。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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