サーカス ジョルジュ・スーラ



新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した画家、ジョルジュ・スーラの代表作のひとつで、遺作ともなった作品です。本作は分割描法(点描画法)の理論が最も印象的に適用された作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
ステージと演者の空間、及び、座席と観客の空間が並置されています。ステージと演者の空間では、画面中央に配される女性の曲馬師や白馬、画面前景に大胆に配される道化師、右端に配される鞭を持った黒服の男、サーカス小屋の丸い壁などに構成される画面に曲線を多用し、画面の中で弾むように躍動させる事で、サーカスの愉快な雰囲気を表現しています。
一方、座席と観客の空間では、厳格で直交性があり、動きはなく、幾何学的な形状をしています。また上段から下段に向けて富裕層が多くなり、当時の社会的階級区分が表現されています。
そして、青と黄色、橙色、白色の四系統の色彩で画面は構成され、混じり気のない光である白色がキャンバスを支配しています。
また外枠もこの作品の重要な一部分です。キャンバスに直接描かれた暗い境界と、それと同じ色合いの青が使われた平らな枠の両方で絵が分離されています。
オルセー美術館所蔵。
<MAP>

広告

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments

Copyrighted Image

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x