グランド・オダリスク



19世紀フランス絵画界新古典主義の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルの代表作です。
アングルは、ルネサンスの古典を範と仰ぎ絵画制作の基礎として尊重しました。また、色彩や明暗よりも形態を重視し、忠実に模写することよりも自分の美意識に沿って絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
アングルは、美と官能性を作り出すために、女性の背中に見られるような、引き伸ばされ、曲がりくねった線を好んで用いました。また光が一様に当てられた裸婦のボリューム感は、奥行きのない空間の中で抑えられています。
こうした線描の抽象化とは対照的に、布地の質感といった細部は、本物と見紛うほど写実的に描かれています。
アングルの美意識に沿って、抽象性と写実性が逆説的に組み合わされた作品です。
ルーブル美術館所蔵。
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