白い馬 ポール・ゴーギャン



フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品(1898年)です。
ゴーギャンの晩年作品で、友人の薬剤師の依頼により描かれたものです。白馬が水を飲んでいるが、緑色の馬体は非常にまがまがしく幻想的に見えます。
依頼主はこの白馬を見て受け取りを拒否したと言われます。この時期、ゴーギャンは自殺未遂をしており、絵画に精神面の不安定さが表れている作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
この白い馬の姿勢は、ギリシャのパルテノン神殿にあるレリーフに影響を受けたとされています。穏やかに水を飲んでいるように見える馬ですが、一白馬といわれる優雅で華奢なイメージではなく、骨太で野性味があふれています。色も自然の緑に囲まれて、馬自体も緑を帯び、人と共にいながらも飼いならされていない雰囲気が漂っています。穏やかな中にも人工物を寄せ付けない自然のエネルギーが感じられ、毅然とした美しさを放っています。
白い馬の奥には裸の人を乗せた赤茶色の馬と、右奥にも周りの色に溶けこんでいる人を乗せた茶色い馬がいます。その佇まいは自然の中にいて非現実的で、異次元に吸い込まれていくような幻想的な雰囲気を醸し出しています。
この作品を描いた時期、ゴーギャンは自殺未遂をしており、絵画にゴーギャンの精神面の不安定さが表れています。
オルセー美術館所蔵
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