星月夜 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの代表作です。
本作でゴッホは、静寂に包まれた闇夜ではなく、自身のエネルギーを発散するかの如く、激情に溢れた夜を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
激しい筆致で描かれた星空の下には、それとは対照的に教会を取り巻く謙虚なムードの家屋が広がっています。また、教会の尖塔は背景に波立つ青黒い山々を貫くように誇張して描かれています。
前景にある大きな木は、まるで炎のようでキャンバスの下端から上端まで描かれており、それは土地と空を視覚的に接続する役割を果たしています。
渦を巻く暗雲やその中で光を放つ月は、一度見ると忘れることはできません。
ニューヨーク近代美術館所蔵。
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2+

アルルの病院の庭 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
本作は、いわゆる「耳切り事件」の後にゴッホが入院したアルルの病院の庭を描いたものです。この庭はゴッホのお気に入りでした。
それでは具体的に観て行きましょう。
庭の中央に小さな噴水があります。その周囲には美しい花壇が八方に広がっています。庭の情景をやや斜めの視点で捉えながら、画面手前の左右へ配される二本の木々と、その間の背の低い4本の植木が垂直を強調され、観る者の視線を画面の中央へと導きます。
さらに画面奥の病院施設の二段の廊下の壁面と複数の柱に用いられた色彩により、庭の花々の生命感を引き出させています。
スイスのオスカー・ラインハルト・コレクション所蔵。
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3+

アルルのゴッホの寝室 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
本作は、ゴッホが南フランスのアルル滞在時に描いた作品です。弟テオに宛てた手紙の中で「僕は自分の寝室を描いた。この作品では色彩が全ての要であり、単純化した物体(構成要素)は様々な色彩によってひとつの様式となり、観る者の頭を休息させる。僕はこの作品で絶対的な創造力の休息を表現したかった。」と述べています。
それでは具体的に観て行きましょう。
画面右側にゴッホが使用していたベッドが置かれ、白壁には絵画が飾られています。画面左奥には小さな木机とそこに置かれる瓶や水差し、さらに画面手前に画面中央の椅子とほぼ同様の椅子が描かれています。正面の壁には三角形の窓と、その両脇に風景画らしき絵画が掲げられています。
寝具、木製の机、ニ脚の椅子、壁に掛けられる絵画、木の床、窓は、それに持ちいられている赤色や黄色の鮮やかな色彩と、壁の青味を帯びた色彩の対比により、ひとつの様式となり、観る者の頭を休息させてくれます。
ゴッホは。「この作品で絶対的な創造力の休息を表現したかった。」のでした。
アムステルダムのゴッホ美術館所蔵。
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2+

耳を切った自画像 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの代表作のひとつです。
ゴッホとゴーギャンは、南フランスのアルルで共同生活を始めますが、対象を見ながら制作したゴッホに対し、ゴーギャンは描く対象の写実的表現を否定していた為、両者は対立してしまいます。
精神的に追い詰められていたゴッホは、遂にゴーギャンと芸術論で激論を交わし、両者の間には決定的な溝が生じてしまします。そして、アルルの家を出ていくゴーギャンをゴッホは追いかけ、ゴーギャンを一目した後、剃刀で自身の耳を切り落とし娼婦ラシェルのもとへ届けるという「耳切り事件」をおこしてしまいます。
本作品は、この事件直後に描かれた作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
ゴッホの特徴である太く絵具の質感を残した独特の筆触で描写される本作のゴッホは、包帯で巻かれる顔側部など痛々しい様子で描かれています。その表情やゴッホ自身へと向けられる視線は冷静であり、一見すると落ち着きを取り戻したかのようにも見えます。しかし、この事件以降、ゴッホは幻覚と悪夢にうなされるようになり、その症状は生涯続いたと伝えられています。
また背後には浮世絵『芸者』が飾られており、鮮やかで明るさの増した色彩と共に、ゴッホの日本趣味への傾倒も見られます。
ロンドンのコートールド・ギャラリー所蔵。
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2+

ゴーギャンの肘掛け椅子 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホ作の「アルルのゴッホの椅子」と同時期に作成された作品です。ゴッホの椅子は昼間の明るい光の中で描かれているのに対し、ゴーギャンの椅子は夜のランプの光の下で描かれています
具体的に観て行きましょう。
画面中央に、やや曲線を強調した木製の椅子が斜めに描かれています。座面部分には一本の蝋燭と2冊の小説が置かれています。木製の床面に、ランプの光を粒状に反射させることで、不思議な質感を生み出させています。
椅子や床面に使用される茶色と椅子の座面や壁色として使われる緑色の色彩的対比、そして、それらを関連・調和させる炎やランプや小説のカバーに用いられる黄色には、ゴッホの絶妙な色彩的才能が表れています。
椅子の上の蝋燭の炎はゴッホ自身の人生の光明を、そして儚さを同時に象徴しているのでしょう。
アムステルダムのゴッホ美術館所蔵。
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2+

アルルのゴッホの椅子 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホ作の「ゴーギャンの肘掛け椅子」と同時期に作成された作品です。同作は夜の時間帯を描いていますが、本作では昼の時間帯で描かれています。
具体的に観て行きましょう。
やや高い視点から斜めに黄い木椅子が描かれており、その上にはゴッホが当時愛用していたパイプ煙草が載せられています。主題である簡素な黄い椅子と対比させるかのような床の赤褐色や壁や扉の青緑色、そして椅子と呼応させている木箱に入った玉葱などにより、椅子の存在感を際立たせるている作品です。
しかし、どこか悲し気な雰囲気が漂う作品です。この時期、ゴッホはゴーギャンと南フランスのアルルで共同生活を始めましたが、うまく行かず、ゴッホが喪失感や失望を感じていることを、本作品から感じるのは私だけでしょうか?
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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3+

ラ・ムスメ(少女の肖像) ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホは、浮世絵など日本に憧れを抱いていたことで有名ですが、本作は作品名に日本語の「娘(ムスメ)」が付けられた作品です。
具体的に観て行きましょう。
日本語の「娘(ムスメ)」という名前が付いているものの、描かれている娘に日本的特徴は殆どなく、顎が小さくやや膨らんだ頬など少女の顔立ちに僅かな異国情緒と東洋的なイメージが若干感じられる程度です。
丸みのある椅子に腰掛けた若い娘は、少し緊張の表情を浮かべながら、左手には花を持っています。
刺激的で、ある意味幻覚的な衣服や水玉模様のスカートに用いられている赤や青、橙などの原色と、背景の水色の使用などに、ゴッホ独特の色彩感覚が表れています。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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3+

郵便配達夫ジョゼフ・ルーランの肖像 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホ特有の大胆で荒々しい筆触による形態表現と豊かな色彩描写が素晴らしい作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
ゴッホの南フランスのアルル滞在時代、ゴッホへの援助を行っていた郵便配達人ジョゼフ・ルーラン氏を描いた作品です。
郵便配達人の制服を着たジョゼフ・ルーランは、澄んだ緑色の瞳でこちらを見ています。赤味がさす頬から顎にかけては髭が蓄えられており、その形状は巻き毛で描写されています。帽子や制服の清潔な紺色と対比するかのように緑色の背景には紅白の花が描き込まれています。
ゴッホは、顔や髭部分は勿論、制服や帽子、背後の緑色まで勢いのままに描写されたかのような大胆で荒々しい筆触で本作を描きました。これによりゴッホは、ジョゼフ・ルーランの素朴さを表現したのでした。更に緑色、青色、黄色、乳白色、赤色を画面の中で絶妙に引き立て合わせることで、ジョゼフ・ルーランの人物像をも見事に描き出すことに成功しています。
オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵。
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3+

ウジェーヌ・ボックの肖像 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホは本作品について「彼(ウジェーヌ・ボック)はダンテを思わせるような風貌の持ち主で、オラニエ公ウィレム1世時代のフランドルの紳士貴族を連想させる。彼が親切な男でも誰も驚かないだろう。そして彼は無限の空間の中に輝く蒼白い星の神秘的な光に包まれるのだ。」と述べています。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作はゴッホが南フランスのアルル滞在時に弟テオを通じて知り合ったベルギー出身の職業画家兼詩人でもあった、ウジェーヌ・ボックを描いた作品です。
画面中央にウジェーヌ・ボックの顔面が配され、その視線は別の何かを見ているようです。背景には、夜空の星々を思わせるような深い青色の中へ白色の点を散りばめ、夢想家としてのウジェーヌ・ボックを強調しています。
またウジェーヌ・ボックが身に着ける衣服は当時としては近代的であり、黄色実を帯びた上着や差し色的な赤色と緑色のタイは背景の色彩と調和しています。
色彩の対比と象徴性は、他の画家の肖像画作品には見られない野心的な取り組みで、ゴッホの絵画的独自性が表れています。
オルセー美術館所蔵。
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