ヴィッラ・メディチ庭園の景観(洞窟の入口)

ディエゴ・ベラスケスによって制作された作品。制作年は1630年で、プラド美術館に所蔵されています。
ベラスケスが描いた風景画は2作品しか現存しませんが、本作はその内の一枚です。
この風景画は実際の風景をみて、写生的に描かれた作品として重要な意味を持ちます。ロランやプッサンの理想的風景とは異なり、戸外でスケッチした風景を画家がアトリエで完成させもので、ベラスケスの興味は戸外の光を描くことにあります。
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エゼキエルの幻視

古代風の廃墟でうまる谷を舞台として、ひと際高い丘の上で右手を上げて立つのは旧約聖書中の預言者エゼキエルです。場面はエゼキエルの書37章前半の幻です。フランシスコ・コランテスは、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスとほぼ同時代に生きたマドリード画派の一人で、当時のスペイン人としては珍しく、小人物や建築をモティーフとした風景画で新境地を開拓しました。
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静物(ポデゴン)

フランシスコ・デ・スルバランは、単純で、ややもすれば単調に陥りかねないほど簡素な構図で、事物を正確に描きます。単純・簡素化により画面には厳粛さを帯わせ、造形物を崇高なまでに純化する事に成功しています。物の本質を照らし出す聖なる光の下に並べられた様々な食器には存在感が感じられ、”もっとも卑近なものの中にこそ神を見る”というスペイン的な宗教精神が伺えます。
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聖ペドロ・ノラスコの幻視

スペインのセビーリャで活躍した画家フランシスコ・デ・スルバランはカラヴァッジョ風の強い明暗画法と実写的表現を学び、多くの宗教画を描きました。特に布の描写に優れ、修道士の身を包んでいる白い布が生み出す微妙なトーンを描くことを得意としていました。しかも全体の構図は質素で、瞑想的な静けさに満ちています。
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快楽の園

初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスの代表作。
三連祭壇画で、両翼は裏と表に描かれており、閉じた時に両翼パネルが合わさって「天地創造」を表します。
開くと写真の様に、左に「エデンの園」、右に「地獄」、中央画面に「快楽の園」が描かれています。
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十字架を担う聖アンデレ

17世紀ナポリ派の始祖的存在の巨匠フセペ・デ・リベーラの作品。
静寂の中で差し込む光で聖アンデレを浮かび上がらせることにより、聖人の深い精神性を表現しています。このような表現手法がリベーラ様式の特徴であり魅力と言われます。
聖アンデレは東方正教会(ギリシア正教)の地、ギリシアやロシアで特に崇拝されている聖人で、キリスト十二弟子のひとり。兄は十二弟子の筆頭である聖ペテロです。聖アンデレはローマ総督アイギアスの怒りを買い、笞打ち刑に加え、X形十字架へ逆さ吊りの刑に処され殉教しました。
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アダムとイブ

「アダムとイブ」は、アルブレヒト・デューラー(1471年-1528年)の代表作。
デューラーは、ドイツのルネサンス期の画家、版画家、数学者です。同名の父・アルブレヒトは、ハンガリーからドイツ南部に移住してきたマジャル人金銀細工師でした。
真の美は身体各部の「比例・均等」にあるという思想は地中海的・ラテン的な伝統で、アルプス以北には存在しなかった考え方でした。
この事実を悟ったデューラーは、古代の彫刻を模写しながら「アダムとイブ」を独自に築き上げた理想美で描きました。
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ケルメス(村祭り)

ピーテル・ブリューゲルの息子、ピーテル・パウル・ルーベンスの作品。ルーブル美術館所蔵。
村祭りの描写の中で、人間の野卑さを表現する、北方絵画の伝統的な形式で描かれています。前景の小屋の中に描かれた大食いの象徴である豚の醜い顔に人間の野卑さを表しています。
しかし、この作品におけるルーベンスの関心は人間の野卑さだけではなく、異なる世代が陽気に混じり合った祭りの賑やかさも表現しようとしています。
婚礼もしくは収穫の終りを記念している宴会は、茶色の色階を用いて描かれた農場で繰り広げられています。画面の構図は三角形を基本に、その中に陽気なファランドールを踊りながら列を成した農民の喧騒がひしめき合っています。ダンスをする二人組の連なりがアラベスク模様のように流れ、一つの動きを形作っています。全体の目まぐるしい渦の印象が、反響し合う無数の曲線によって強調され、生きる喜びと感覚の悦楽を表現するために、多彩な人物像の陳列を観ている者に与えてくれます。
まるで子犬のように大騒ぎをする者、地面の上で直に飲み食いをする者、赤ら顔の肥った女の乳房をむさぼるように飲んでいる幼児、恋愛ゲームにあからさまに身を委ねるその場限りの恋人たち・・・
これらの生命の興奮が、晴朗な光り輝く空に溢れた穏やかな風景の広がりにより強調されています。
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干し草車

17世紀フランス古典主義の画家兄弟ル・ナン三兄弟を代表する作品です。ルーブル美術館所蔵。
本作品は1848年にパリで展示され、大きな反響を呼んだ作品として知られています。
画面右下部分に赤子を抱く母親の農婦が荷馬車の前で座り、その周りには猟犬や家畜が配されています。またその上部に荷馬車の上に乗り子供らの姿が干し草と共に描かれ、その中のひとりは笛を吹いています。画面中景では納屋の前に農婦とその子供らが家畜に水を与えています。
リズム感の良い人物配置や構図が本作の特筆すべき点のひとつですが、豊かな色彩で描かれる本作の中に漂う独特の風俗的情緒感が作品の中から現実の世界へ、渾然として観る者に訴えかけているところが絶品と評されています。
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