古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1505年頃)です。本作は快楽と美徳のどちらかを選ばなければならないという夢を見たローマの将軍、スキピオ・アフリカヌスを(紀元前236~紀元前184)表していると考えられています。2人女性が持っている、花、剣、本などは、騎士の思想的属性を表現していると考えられています。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作には、美しい木の下で眠る騎士と、それを支える二人の女性が描かれています。女性の一人は剣と本を持ち、もう一人は花を持っています。2人女性はそれぞれ、美徳(険しくごつごつした道を背にしている女性)と、快楽(ゆったりとした服を着ている女性)を表現しています。騎士は、夢の中で美徳と快楽の二者択一を迫られているローマの英雄スキピオ・アフリカヌスを表していると考えられています。
また、本作の寓話の起源は、有名なラテンの詩人シリウスによるポエニ戦争を描いた叙事詩「プニカ」のある一節であると言われています。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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