荊冠のキリスト



15世紀ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家、ヒエロニムス・ボスの作品。
ボスの絵画は、聖書に基づく寓話を題材にした幻想的で怪異な作風が特徴であり、それぞれの主題や制作意図も謎に満ちていると言われます。その作風はピーテル・ブリューゲルを始めとする後世の画家に大きな影響を与えました。
それでは、本作を見て行きましょう。
主題はキリスト受難の逸話「裁かれるキリスト」です。マルコ伝によると「兵士たちはイエスを総督官邸に連れて行き、紫の衣を着せ、荊冠を編んで被らせた」となっています。左の兵士は荊冠をイエスにかけようとし、右下の男は衣を着せかけています。しかし衣の色は紫ではなく、やや赤みかかった白です。
これはボスの創意で、白い衣とキリストの白い顔を無垢なものとして浮かび上がる事を狙っていると言われていますが、本当のところは謎です。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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