四人のブルターニュの女の踊り ポール・ゴーギャン



フランスのポスト印象派の画家で総合主義(※1)の創始者のひとり、ポール・ゴーギャンの作品(1886年)です。
ゴーギャンが総合主義を宣言する2年前に描かれた本作からは、総合主義の萌芽を感じさせます。
それでは具体的に観て行きましょう。
素朴なブルターニュの農婦たちが民族的な踊りを踊る様子を描いた作品です。農婦たちは皆ポン・タヴァン地方の伝統的な衣装と髪飾りを身に着け、フェンスのすぐ近くで踊っているようです。これは観光客の来訪によって比較的裕福となったブルターニュの人々が観光客向けのパフォーマンスに興ずる姿が元となっていると言われています。遠景には一人男性が描かれていて、その男性はガチョウの放牧をしながら、畑仕事に励んでいます。
ゴーギャンはそこに都会では感じることのできない原始的な美しさを見出し、それを生き生きと表現しました。鮮明な輪郭線の使用や単純化されつつある形態・色彩表現などに、総合主義の萌芽を感じさせます。
ミュンヘンのノイエ・ピナコテーク所蔵
※1:総合主義:1880年代末頃、ポール・ゴーギャン、エミール・ベルナール、シャルル・ラヴァル、ルイ・アンクタンらによって提唱された芸術運動。色彩を分割しようとする印象主義への反発として現れた、ポスト印象主義の一潮流で、2次元性を強調した平坦な色面などに特徴があります。
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