サルダナバロスの死



19世紀のフランスのロマン主義を代表する画家、ウジェーヌ・ドラクロワの代表作の一つです。ロマン主義の特徴が最も示されている作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
アッシリア王サルダナパールの最期を描いた歴史画です。画面左奥のサルダナパロスは、白の衣服を纏い、鮮やかな赤色の敷布で覆われ黄金の象で装飾された寝具で片肘を突き寝そべりながら周囲の光景を無表情で眺めています。
その周囲では、臣下や近衛兵、奴隷らが、サルダナパロスの財宝を破壊し、寵姫や寵馬など王の快楽のための全ての者や動物を殺害する様子が克明に描かれています。サルダナパールは軍の敗北に際し、財産を破壊し愛妾を殺害するよう命じたのです。
残虐、陰惨、狂気、殺戮、破壊。これらの要素は、人間の本質の一部であるにもかかわらず、当時、暗黙のうちにタブーとされているものばかりでした。
しかし、この人間の本質を描くことこそ、ロマン主義の本質であり、今なおロマン主義絵画の最高峰として位置付けられている作品です。
ルーブル美術館所蔵。
<MAP>

広告

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments

Copyrighted Image

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x