コネスタビレの聖母 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの初期の作品(1504年頃)です。本作は、直径18cmの小さな円形の絵で、ラファエッロが聖母マリアを初めて円形で描いた作品です。
ラファエッロがそのスタイルを完成させる前の作品ですが、構図が素晴らしく、美しいリズム感があり、色彩の調和と気高さが感じられます。
それでは具体的に観て行きましょう。
聖母マリアが幼子イエス・キリストを抱きながら本を読んでいる情景を描いた作品です。聖母マリアは赤い衣を纏い、彼女の特徴である青いマントに包まれています。キリストを見下ろす母性的な眼差しは、どこか憂いを帯びています。それは、聖母マリアが読んでいる本に、息子の悲惨な死が予言されているからでしょう。背景には、雪をかぶった山と枯れた木がりますが、緑の草原が明るく、春の再生を予感させます。
1881年に本作は板からキャンバスへと移されました。その際、オリジナル案では、聖母マリアは本の代わりにザクロをじっと見つめていたということが発見されました。ザクロはキリストの受難を象徴しています。
本作はラファエッロがそのスタイルを完成させる前の作品ですが、構図が素晴らしく、美しいリズム感があり、色彩の調和と気高さが感じられます。
ロシアのエルミタージュ美術館所蔵。
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