アポロとダフネ



18世紀イタリア画家のロココ美術・ヴェネツィア派の巨匠、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの作品です。
ティエポロは、軽快で優美な筆触と透明感に溢れる明瞭な色彩、建築的遠近法や仰視法を巧みに使用した空間構成で、壮麗で輝きに満ちた独自の作風を確立しました。
それでは具体的に観て行きましょう。
作品は、オウィディウスの「転身物語」の一場面です。ダフネは河の神の娘です。ある日、キューピットが恋を掻き立てる黄金の矢をアポロへ、恋を拒否する鉛の矢をダフネに射ました。
アポロはダフネを必死に追い、力尽きたダフネは父に助けを求めます。すると、ダフネの腕から枝が足からは根が生えて、月桂樹に変身します。
明るい赤と黄の衣服が、深い青で描かれた背景と対比を成しています。登場人物が観る者の空間に入り込んできそうな様子で描かれています。
にもかかわらずダフネの姿は風景に溶け込んでいるようです。これは、ダフネが一本の木の下に配されており、その木はダフネを帽子のように保護しつつも、人間から植物への変身を暗示している為です。
壮麗で輝きに満ちた作品です。
ルーブル美術館所蔵。
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