デルフトの小路

フェルメールが斬新な視点で「デルフトの小路」を描いた傑作と言われる作品です。それは単に高い視点から「デルフトの小路」を描いたというのではなく、風景や日常生活の一コマが、実に自然に、切り取られているからです。
具体的に見て行きましょう。
絵画は左と右で二分されています。左は破風が重なり、通路に奥行きを感じさせる一方、右は建物の正面のみが描かれ、平面的です。しかし、煉瓦(れんが)やよろい戸、白く塗られた壁には、えも言われぬ美しさが感じられます。
また、人物は小さく描かれていますが、縫い物や洗い物をする女性たちなど、何気ない穏やかな日常生活の一コマが、存分に表現されています。
まさに、フェルメールの斬新な視点が散りばめられた作品です。
アムステルダム国立美術館所蔵。
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牛乳を注ぐ女

ヤン・フェルメールの代表作。この作品を見ていると、いつの間にか画中へと引き込まれてしまいます。
その理由は「安定した構図と自然で絶妙な女性の描写」。見ている人を画中へと引き込む理由がここにあります。
具体的に絵画を観て行きましょう。
明るい光が窓から射し込む。しかし、パンの粗い表面や、女性の太く平らな胴まわり、丸い肩には、何の影響もありません。ここでは錯視技法を用い、テーブルの上と女性に質感と重量感を与えているのです。
そして、質感・重量感がある安定した構図の中で、描かれている女性は、わずかに微笑みながら日課とも言える仕事をこなしています。下向きの視線とすぼめた唇は、悲哀を意味しているのか、集中を意味しているのか?
「この女性はいったい何を考えているんろう。。。」
ついつい画中へと引き込まれてしまいます。さすが、フェルメール!
アムステルダム国立美術館所蔵。
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青衣の女

16世紀のオランダ画家、ヤン・フェルメールの作品です。アムステルダム国立美術館所蔵。
フェルメールは、手紙を読んだり書いたりする女性の絵を多く描きました。
この作品では、女性の髪は、あえて背景に掛かる地図と同系色で描かれ、私たちの興味を自然光を受けて微妙な色合いに変化する青い上着へ誘導しています。
また控えめな色彩は、全体の静寂感を強調することに成功しています。
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