聖母子と聖女カタリナとマグダラのマリア

15世紀イタリアルネサンス期の画家でベネチア派の巨匠と呼ばれている、ジョヴァンニ・ベッリーニの代表作。
ベネチア派は、流動的で詩的な雰囲気の中で人間の感覚に直接訴えかける効果を追求した画派です。
それでは、この作品でのベネチア派の特徴を見て行きましょう。
敢えて遠近法は使わず、暗黒の空間に柔らかい燈火がしたから射し、聖女カタリナ(右側)やマグダラのマリア(左側)、聖母マリア(中央)の顔が浮かび上がっています。そこには深い神秘性が感じられます。これが人間の感覚に訴えかけるベネチア派の特徴です。
ベネチアのアカデミア美術館所蔵。
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受胎告知

15世紀のイタリアルネサンス期の画家、ジョヴァンニ・ベッリーニの作品。
ジョヴァンニは、画家一族で知られるベッリーニ家の中でも特に有名な画家で、ベネチア派の巨匠と呼ばれています。
さて、ベネチア派の特長は何でしょう?この作品で見て行きましょう。
左のドアから急ぎ足の天使と共に日差しが部屋に差し込んでいます。窓枠と天使の影が床と壁に柔らかく落ちて、まるで普通の部屋に午後の訪問者が来たかのような日常性が感じられます。聖母も静かな表情で受胎告知を聞いています。
「日常の明るい静けさの中で受胎告知を描く」。ここにベネチア派の特長が表れています。ベネチア派は、流動的で詩的な雰囲気の中で、人間の感覚に直接訴えかける効果を追求し続けました。
ベネチアのアカデミア美術館所蔵。
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聖なる寓意


イタリアのルネサンス期の画家、ジョヴァンニ・ベッリーニの作品。フィレンチェのウフィツィ美術館所蔵。
風景には、多色彩の大理石の敷石が敷き詰められた広いテラスと、手すりで隔てられた湖岸が描かれています。風景の左側で聖母マリアが、受胎したことを象徴する、円錐形の天蓋の下で崇められています。その天蓋には四段の階段がついているとともに、側面にはマルシュアースの神話の場面が描かれています。聖母マリアの近くには、二人の女性の姿が描かれており、二人の女性の内一人は、足が描かれていないため、空気中を漂っているように見えます。
風景の中央には、小さな木と銀色の果実とともに四人の子どもたちが描かれています。木は知恵の樹を表し、果実は生命や知識の象徴です。
右側には、ヨブと聖セバスティアヌスがいます。手すりの外側には、ナザレのヨセフ(もしくはペトロ)とパウロがいます。
背景の大きな湖の向こう側に、男性や動物たちとともに、岩脈が描かれています。湖岸には、小さなほら穴の中に羊飼いやケンタウロスが描かれています。
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