氷海(希望号の難破)



18世紀から19世紀のドイツロマン派の画家、カスパル・ダーヴィト・フリードリヒの代表作です。
フリードリヒの風景画は「悲劇的な風景画」と呼ばれ、厳しい自然に対する恐怖や恐れをキャンバスに描きました。その風景画は、内省的で孤独感や閉塞感に溢れていますが、同時に心象的、宗教的なメッセージも伝わってきます。
では、具体的に観て行きましょう。
寒々とした北の海に分厚い氷が積み重なり、まるで墓標のようにも見える大きな氷塊の中に無力な船「希望」が描かれています。そこには一木一草もなく、生命の息吹が途絶え、何ひとつとしてない無音の世界です。
なんとも閉塞感の漂う作品ですが、同時に氷の層は、天をめざし、やわらかな光に包まれていることから、希望は決して失っていないというメッセージが伝わってきます。
ハンブルク美術館所蔵。
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