山上の十字架



18世紀から19世紀のドイツロマン派の画家、カスパル・ダーヴィト・フリードリヒの作品です。
フリードリヒの風景画は「悲劇的な風景画」と呼ばれ、厳しい自然に対する恐怖や恐れをキャンバスに描きました。その風景画は、内省的で孤独感や閉塞感に溢れていますが、同時に心象的、宗教的なメッセージも伝わってきます。
では、具体的に観て行きましょう。
額縁はいかにも祭壇画にふさわしく、最後の晩餐のパンとぶどう酒を意味する麦、(パン)とぶどうが描かれています。しかし、その中に収められた絵は、十字架が山の頂上に描かれているものの、風景に過ぎません。
風景を描いた絵が、本来は許されない祭壇画に祭り上げられていることは、驚くべきことでした。しかしそれは、「神の神性が最も見出されるのは自然界である」というフリードリヒの信念を反映しています。
ドレスデン近代絵画館所蔵。
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