キリストの復活 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの初期の作品(1502年頃)です。本作は南半球で保管されている唯一のラファエッロ作品で、画面内の全要素が結び付き、不思議な躍動感を感じさせる作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
イエス・キリストを中心に外側に向かってバランスを考えた構図で描かれています。
4人の衛兵がキリストを囲み、2人の天使が両脇を固めています。キリストの衣の縁には金の刺繍が施されていて、このキリスト像が復活後のものであることを示すための工夫がされています。また、神性を強調するため、キリストは墓の上で空中に浮かんでいます。
風景はは空気遠近法を用いて描かれています。空気遠近法とは、遠くの背景を青く塗ることで、遠くに後退していることを表現する手法です。また、絵の左側にある道は、丘の間を縫うように細くなっていて、奥行きと距離を表現しています。
丘の麓の谷間には川が流れています。川はしばしば洗礼を意味し、洗礼によりキリストの死と復活に参加したことを信者に思い出させるために使われています。石棺の足元には、サタンを意味する蛇がいます。この蛇は、キリストの復活によってサタンが倒され、サタンの力がなくなったことを意味しているそうです。
このように、画面内の全要素が結び付き、不思議な躍動感を感じさせる作品です。
ブラジルのサンパウロ美術館所蔵。
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