ホラティウス兄弟の誓い

18世紀フランスの新古典主義の巨匠、ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品です。
この作品は、ダヴィッドがロココ様式を放棄し、新古典主義の様式で描いた最初の作品で、新古典主義絵画の模範作品と言われています。
ダヴィッドは、デッサンと形を重視し、理性を通じた普遍的価値の表現を追求しました。
それでは具体的に観て行きましょう。
紀元前7世紀、アルバ人の代表であるクリアトゥス兄弟に挑むため、ローマ人によって選ばれたホラティウス三兄弟が、死を賭した勝利を誓っている場面を描いています。
背景をぼかして描くことにより、前景の人物像を強調し、くすんだ色合いに描くことで、その背後にある物語の重要性が、絵そのものよりも強調されています。
男性は全員、背景の円柱と共に直線的に描かれ、その力強さや剛直さを表現しています。一方、女性は、円柱の上に見られるアーチのような曲線で描かれています。
剣は、2つが曲がった剣、1つがまっすぐな剣です。これは兄弟のうち1人だけが生き残る境遇にあることを暗示しています。
ルーブル美術館所蔵。
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レカミエ夫人の肖像

18/19世紀のフランス新古典主義の画家、ジャック・ルイ・ダヴィッドの傑作です。新古典主義の肖像画の最高傑作のひとつとも言われています。
ダヴィッドは、デッサンと形を重視し、理性を通じた普遍的価値の表現を追求(新古典主義)した画家です。
それでは具体的に観て行きましょう。
モデルは、裕福な銀行家の妻で、パリ社交界の花と言われた、ジュリエット・レカミエ夫人です。当時、上流階級の女性の間で流行した古代風の質素な衣装に身をまとい、古代人の習慣に従って長椅子に横たわっています。
全体像を遠くから、そしてレカミエ夫人の顔を小さく描くことで、ひとりの人物の表現よりも、女性の優雅さと気品を強調しています。
個性の表現と理想化が見事に調和した作品です。
ルーブル美術館所蔵。
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