エレオノーラ・ディ・トレドと子息の肖像

「エレオノーラ・ディ・トレドの肖像」はマニエリスム(※1)を代表する大画家アーニョロ・ブロンズィーノによって1545年ごろに制作された油彩画で、 アーニョロ・ ブロンズィーノの代表作と言われています。
この作品に描かれるているのはナポリ総督の娘で、名家メディチ家のコジモ一世の妻でもあるエレオノーラ・ディ・トレドとその息子ジョヴァンニです
(別の息子フランチェスコという説もあります)。
怪しく冷艶な雰囲気を漂わせる アーニョロ・ ブロンズィーノ独特の表現と、白 々とした艶めかしい肌の質感による清逸な表情描写が高い評価を受けています。
※1:マニエリスムとはルネサンス後期の美術で、美術史の区分としては、盛期ルネサンスとバロックの合間にあたります。イタリア語の「マニエラ(手法・様式)」に由来する言葉で、盛期ルネサンス芸術の明快で調和の取れた表現とも、バロック芸術の動感あふれる表現とも異なった特有の表現として位置づけられいます「自然を凌駕する行動の芸術的手法」だそうです。
<MAP>

春(ラ・プリマヴェーラ)

この作品は「ヴィーナスの誕生」と対をなし、天上のヴィーナスの降臨を描いた「ヴィーナスの誕生」に対して、地上のヴィーナスの王国を描いた「春」と言われています。
右から順番に春を運んでくるという西風の神ゼフュロス、花の女神フローラ、 そしてフローラの口からは花が出ていて、その隣の春の女神プリマヴェーラに変身するところが描かれています。
プリマヴェーラの左には地上のヴィーナスがいて、その上にはヴィーナスの子どもであるアモール(キューピッド)が 恋に落ちる矢を左側の三美神に向けています。よく見るとその三美神は絵の中心から背をそむけている男性、メルクリウスの方を見つめてます。
このメルクリウスは、理性を象徴する、ギリシャ神話の商業神で、カドゥケウスという杖で雲を払っている様子が描かれています。 「これは地上のヴィーナスの国から天上のヴィーナスの国を覗いている」という解釈がされています。
ルネッサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリの作品です。
<MAP>

ヴィーナスの誕生

この作品は「春」と対をなし、天上のヴィーナスの降臨を描いた「ヴィーナスの誕生」、地上のヴィーナスの王国を描いた「春」と言われています。
「ヴィーナスの誕生」は、ギリシア神話の天上のヴィーナス(アプロディーテー)が海より誕生した様子が描かれています。
天上のヴィーナスは左足が浮いていて、今まさに地上に降り立とうとしています。 地上に降り立った瞬間、天上のヴィーナスは時間の支配を受ける、地上のヴィーナスになります。 ヴィーナスの右側には時の女神ホーラ、左側には西風の神ゼフュロスとその妻である花の女神フローラが描かれています。
ルネッサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリの作品で、キャンバス地に描かれたテンペラ画です。
<MAP>

バベルの塔 ピーテル・ブリューゲル

ウィーンの美術史美術館から。1563年に描かれた、ブリューゲルの代表作。ブリューゲルが描いた『バベルの塔』は2種類あり、絵のサイズから「大バベル」「小バベル」と言われています。これは「大バベル」の方です。「小バベル」はロッテルダムのボイマンス=ファン・ブーニンゲン美術館にあります。
バヘルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キのジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説もある。実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」と言います。
< MAP >

Copyrighted Image