豆の王様の祝宴

17世紀に活躍したフランドルの代表的な画家、ヤーコブ・ユルダーンスの作品。ウィーン美術史美術館所蔵。
ネーデルランドでは、一月の三王節に豆入りの菓子を焼き、その豆に当たった者が王となって祝宴を開き、三王節を祝う習慣がありました。
画面上部の銘文には「酩酊者よりも狂人に近きは無し」と書かれており、風刺のきいた教訓を感じさせます。楽し気な祝宴の中に、この銘文を思い起こさせる辛辣な描写がいくつも含まれています。
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メレアグロスとアタランテ

17世紀のフランドル派を代表する画家ヤーコブ・ヨルダーンスの作品。
本作品はギリシャ神話の一場面で、自分に不満を漏らす叔父たちを手にかけようとするメレアグロスの姿です。画面中央で、左肩に黄色い衣服を掛けているのがメレアグロスです。右手は剣の柄を握り締め、すぐにでも引きぬいて周囲にいる叔父たちを殺そうとしています。その右の女性アタランテは、右手でメレアグロスの右手を抑え、剣を引き抜かせないように留めています。
叔父たちから猪の頭部を寄こせとしつこく言われ、メレアグロスは完全にいきり立ちます。戦利品としての猪の頭部は、ついにアタランテの手から奪い取られて、叔父たちの手に渡ってしまいます。この様子を見たメレアグロスは、王子としての自分の立場を忘れ、剣を抜いて叔父たちをメッタ切りにしてしまいます。
この事件により王妃アルタイアは、息子メレアグロスの命を絶ちます。
メレアグロスの死後、アタランテはヒポメネスと結婚することになりますが、それはまた別の物語り。
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