ミッデルハルニスの並木道

オランダ画家メインデルト・ホッベマの代表作。17世紀のオランダ風景画に於いて、最も有名な作品のひとつです。
斬新かつ均衡がとれた構図。そして、鑑賞者を画面へと引き込む為に、様々な仕掛けを張り巡らした作品です。
それでは具体的に見て行きましょう。
地平線を低くとり、大地の広がりの中央手前から一直線に伸びる並木道が、シンメトリーの構図で描かれています。そして雲の配置は、北国の冷たく澄んだ、さわやかな空気と湿った大地を連想させます。
また前景に描かれたポプラの木と奥のポプラの木では、高さが大きく異なっています。この効果により、一段と高い塔をもつ教会がある村までの距離は、見た目以上に遠い事が判ります。
そして、肩に銃を乗せた狩人が、犬を連れてこちらに歩いて来ています。狩人の頭が、遠近法における消失点と一致していて、狩人とは、いずれすれ違うのではないかと思わせます。鑑賞者の視線は、ふと気が付くと中央の景観に引き込まれています。
ナショナル・ギャラリー(イギリス)所蔵。
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