花束を持つ踊り子 エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品。
ドガが数多く手がけた踊り子作品のひとつです。
それでは具体的に観て行きましょう。
この絵の主役は、踊り子の顔というよりも、彼女のチュチュ(バレエの衣装)です。一見無造作に広がる色鮮やかなオレンジ・イエローの線が画面に動きを与え、その周辺のブルー・グリーンと溶け合って、暗い地を背に打ち上げ花火のような効果を上げています。
オルセー美術館所蔵。
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浴槽 エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品。
印象派の画家は風景画を描くことが多いですが、ドガは都会の下層階級の生活を題材とした作品を多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
桶で水浴びをする女性の絵です。モデルの後姿のみを描くことで、日常の一場面を切り出したような構成になっています。テーブルとその上の水差しやブラシ等、乱雑に物が置かれており、日常的な雰囲気を重視している事がわかります。
水浴びする女性を俯瞰的に見下ろす視点は、ドガの女性に対するスタンスの表れです。
ドガは女性たちを「自分の体を舐めている猫のように、自分にかまけている人間の姿をした動物である」と語っています。
オルセー美術館所蔵。
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舞台の踊り子(エトワール) エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品。
ドガの踊り子の絵画の中で、最も親しまれている作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
舞台上で軽やかに舞う踊り子。舞台に設置されている人工的な光が、下半身から上半身に向かって踊り子へ照らされています。ドガが得意とした人工光の描写が、効果的に舞台上の踊り子を引き立たせています。
観者が踊り子を上から見下ろすという大胆な構図は、日本の浮世絵の奇抜な構図構成に影響を受けたと言われています。
オルセー美術館所蔵。
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青い踊り子 エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品。
ドガが数多く手がけた踊り子を描いた絵画のひとつです。
それでは具体的に観て行きましょう。
近距離から描かれているにもかかわらず、踊り子の顔はぼかされ、表情も判りません。また彼女らがどんな所にいるのかも曖昧です。
この絵のの主題は、青いチュチュ(バレエの衣装)が醸し出す色彩の響き合いであり、背景の青とピングの水玉風のタッチが画面に独特の効果を生み出しています。
オルセー美術館所蔵。
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ダンス教室 エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品です。
ドガが数多く手がけた踊り子の代表作のひとつです。
印象派の画家は風景画を描くことが多いですが、ドガは都会の下層階級の生きる悲しみや苦しさを題材とした作品を多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
ピアノに腰かけて背中を掻いている踊り子。どう見てもエレガントとは言えない仕草がドガらしい作品です。
一見すると、偶発的なスナップショットのような画面構成ですが、近距離から描かれる踊り子と奥の壁際の踊り子らとの極端な構図的展開は、観る者に強い印象を与えます。
ドガは「私の芸術ほど自然発生的でない芸術はかつてなかった。私の絵は熟考と巨匠たちの研究の結果である」と語っています。
オルセー美術館所蔵。
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カフェにて エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの代表作のひとつです。
印象派の画家は風景画を描くことが多いですが、ドガは都会の下層階級の生きる悲しみや苦しさを題材とした作品を多く描きました。本作品もそのひとつです。
労働者階級の女性がアブサンのグラスを前にしてうつろな表情で座り、隣りの赤い目をしたボヘミアン(世間の習慣など無視して放浪的な生活をする人)は通行く人を眺めています。
パリの下層生i舌の一面を描いたこの作品は、都会の人間関係の希薄さと孤独感を表現しています。
オルセー美術館所蔵。
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アイロンをかける女たち エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの作品です。
印象派の画家は風景画を描くことが多いですが、ドガは都会の下層階級の生きる悲しみや苦しさを題材とした作品を多く描きました。本作もそのひとつで、アイロンかけは、生活の為に僅かな賃金で否応なくしている女性の仕事で、貧しさのシンボルとして描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
画面右の淡い桃色の衣服を着た女は、力を込めて両手でアイロンを押し付けるようにかけています。その一方では、隣の白い衣服の女が大きなあくびをしながら、重労働を紛らわせるワイン瓶を右手に握っています。
過酷な労働条件下で働く女たちの日常がありありと描写される本作は、ドガの物事を残酷なまでに的確に捉える辛辣な観察眼が最も良く示された作品と言われます。
オルセー美術館所蔵。
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オペラ座のオーケストラ エドガー・ドガ

19世紀フランス印象派の画家、彫刻家、エドガー・ドガの代表作のひとつです。
印象派の画家は風景画を描くことが多いですが、ドガは都会を主題とした絵画を多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
描かれた劇場は3つのエリアに分かれています。画面の一番下は観客席、中央が音楽演奏席、画面の一番上がバレリーナが踊る舞台です。この絵画ではバレリーナの脚がフットライトで照らされていますが、上半身はカットされています。X線による解析で、ドガは意図的にキャンバスの側面と上部を切断したことが分かっています。
本作は、フランスの生活を描いた風俗画であると同時に、中央に描かれた音楽奏者たちと彼らが扱う楽器が正確に描かれていることから集団肖像画ともいえます。
美術史家のチャールズ・スタッキーは、「ドガの魅力とは、ときどきよそ見をする観客の視点の動きを含む、一瞬の「動き」の描写力で、それは瞬時をとらえて描く「印象派」に通じるものである」と語っています。
オルセー美術館所蔵。
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