ムーラン・ルージュにて アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

19世紀のフランス画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの代表作です。
ロートレックは、自然の風景よりも、バー・競馬場・芸人・娼婦など、都会的なものを多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作に描かれるのは、豪華かつ個性的な内装や人気ダンサーの採用などで、モンマルトル随一のダンスホールとなっていた、ムーラン・ルージュの情景です。
作品の中で最も目を惹きつけるのは、画面右端に描かれている黒い衣服に身を包んだ女性の姿です。大胆に切り落とされた女性の顔が、人工的な緑色の光と影の不気味さと相まって、観る者に鮮烈な印象を与えます。
そして、画面全体を支配する享楽と退廃が混在する独特の雰囲気! これが、ロートレック作品の特徴です。
シカゴ美術研究所所蔵。
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メイ・ベルフォール嬢 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

19世紀のフランス画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品です。
ロートレックは、自然の風景よりもバー、競馬場、芸人、娼婦など、都会的なものを多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
アイルランド出身のスター(歌手・踊り子)、メイ・ベルフォールを描いた作品です。この作品でロートレックは、スターの素顔やふとした仕草・癖を、時に容赦ない誇張やデフォルメを加えて「別人」として生まれ変わらせています。その結果、モデルが作品の受け取りを拒否することも珍しくなかったといいます。
アメリカのクリーブランド美術館所蔵。
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化粧する女 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

19世紀のフランス画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品です。
ロートレックは、自然の風景よりもバー、競馬場、芸人、娼婦など、都会的なものを多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は、娼婦の日常的な光景を描いています。女性が画面の中心を占め、鑑賞者に背中を見せています。背景に描かれた籐椅子から、ロートレックのアトリエで制作されたことがわかります。また人物や椅子、脱ぎ捨てられた下着などからは、ロートレックの的確で簡潔なデッサン力が伺えます。
女性の背面を見下ろすような視点は、日本の浮世絵版画を参考にしていると言われています。
オルセー美術館所蔵。
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