狩猟場のチャールズ1世

この作品を描いた、アンソニー・ヴァン・ダイクは、ルーベンス以降の17世紀フランドル絵画で最も名を馳せた画家の1人です。
イタリアで活動した後にイングランドに渡り、イングランド国王チャールズ1世の宮廷画家として活躍しました。ヴァン・ダイクが描いたチャールズ1世の肖像画は10余点が現存していますが、この作品はその中でも優れた作品で、ヴァン・ダイクが描いた肖像画の中で最も知られている作品です。
狩猟場で馬から降りた国王が休息しています。右手をステッキに置き、左手を腰にあてたリラックスしたポーズが、とても自然な感じで印象的です。 それでいて、チャールズ1世の気品溢れる悠然とした立ち姿は国王としての威厳を損なうことなく、その人柄までも伝わって来ます。また、 素早いタッチで描かれた背景と精緻に描かれた国王や植物の描写の違いが互いに引き立て合っています。
ヴァン・ダイクの肖像画はその後のイングランドの肖像画の基礎となり、彼の死後150年以上にわたってイングランド絵画に大きな影響を与え続けました。
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