水(四大元素より)

水(四大元素より)は、イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた一連の絵画(四大元素)の一枚です。ウィーン美術史美術館所蔵。
エビやタコ、ベラやヒトデなど、水中に生息する生物をぎっしりとひしめき合わせ、女性像を表現しています。頭の上に突き出た小さな魚のひれと思しきものはティアラです。
登場する魚の大部分は、地中海に生息しているもので、甲殻類や貝は、軍事力や武器を示しており、大きく広い海を暗示する真珠は、ハプスブルク家の広大な領土を示しています。
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火(四大元素より)

火(四大元素より)は、イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた一連の絵画(四大元素)の一枚です。ウィーン美術史美術館所蔵。
銃や大砲といった火器を配置することによって、 皇帝が、四大元素としての火だけではなく、武器としての火も統制することを示しています。さらに、金羊毛騎士団の紋章および「双頭の鷲」は、ハプスブルク家の権威の高さを表しています。
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冬(四季より)

冬(四季より)は、イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた一連の絵画(四季)の一枚です。ウィーン美術史美術館所蔵。
冬では老人の像が表現されています。イタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチによるカリカチュアの影響が色濃く反映されいて、
わらでできたマント、背の皇帝のイニシャルである “M” の文字、襟もとの金羊毛騎士団の紋章にみられる火打ち金の絵柄が織り込まれていることから、マクシミリアン2世の肖像であることが判ります。
頭の上の部分には、ローマ皇帝の月桂冠を想起させる枝が描かれていますが、これは、神聖ローマ帝国皇帝を暗示しています。
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夏(四季より)

夏(四季より)は、イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた一連の絵画(四季)の一枚です。ウィーン美術史美術館所蔵。
ジュゼッペ・アルチンボルドの作品としては、四季の他、四大元素も有名です。四大元素も順次紹介していきますので、お楽しみに!
夏では、熟年の女性と思われる人物像を野菜や果物を用いて描いています。耳には、当時、アメリカ大陸からもたらされたばかりのトウモロコシが用いられており、鼻にはズッキーニが、頬には桃が用いられています。
新鮮な野菜や果物を組み合わせることによって、爽やかで豊かな夏が表現されています。肩には製作年が、襟もとには署名が、麦わらで編み込む形で記されています。トウモロコシの他に、インドが原産とされるナスなど、16世紀のヨーロッパでは珍しかった野菜を描き入れることによって、鑑賞者を驚かせようという意図があったものと考えられます。
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