サン・ロマーノの戦い

ルーブル美術館のパオロ・ウッチェロ作『サン・ロマーノの戦い』は、同主題の3部作の1枚です。他2枚は、ロンドンのナショナル・ギャラリーとフィレンツェのウフィツィ美術館にあります。この絵画は、「強調された華麗な色彩の後期ゴシック様式の伝統と、初期ルネサンスに確立された線遠近法の新たな挑戦が見事に融合されている」と評されている作品です。
サン・ロマーノの戦いとは、実際にあったフィレンツェとシエナの戦いを描いています。1432年6月1日にフィレンツェ軍とシエナ軍がアルノ渓谷で戦闘が始まりました。勝利したフィレンツェ軍の大将はニッコロ・ダ・トレンティーノ。対するシエナ軍はフィレンツェから離脱したばかりのベルナルディーノ・デラ・カルダが率いていました。ニッコロはフィレンツェ軍から引き離される局面があったものの、ついには勝利をおさめ、翌年には和解が成立します。この業績によりニッコロは英雄と見なされるようになりました。
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