キリストの復活 ラファエッロ・サンツィオ

古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの初期の作品(1502年頃)です。本作は南半球で保管されている唯一のラファエッロ作品で、画面内の全要素が結び付き、不思議な躍動感を感じさせる作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
イエス・キリストを中心に外側に向かってバランスを考えた構図で描かれています。
4人の衛兵がキリストを囲み、2人の天使が両脇を固めています。キリストの衣の縁には金の刺繍が施されていて、このキリスト像が復活後のものであることを示すための工夫がされています。また、神性を強調するため、キリストは墓の上で空中に浮かんでいます。
風景はは空気遠近法を用いて描かれています。空気遠近法とは、遠くの背景を青く塗ることで、遠くに後退していることを表現する手法です。また、絵の左側にある道は、丘の間を縫うように細くなっていて、奥行きと距離を表現しています。
丘の麓の谷間には川が流れています。川はしばしば洗礼を意味し、洗礼によりキリストの死と復活に参加したことを信者に思い出させるために使われています。石棺の足元には、サタンを意味する蛇がいます。この蛇は、キリストの復活によってサタンが倒され、サタンの力がなくなったことを意味しているそうです。
このように、画面内の全要素が結び付き、不思議な躍動感を感じさせる作品です。
ブラジルのサンパウロ美術館所蔵。
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大きな松の木 ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
セザンヌは木の中のドラマに焦点を当て、風に反応して葛藤する松の木を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
素朴さの中にも偉大な芸術の叡智を感じさせるような、驚くほどのシンプルさで、木をわかりやすく提示し、松の木を目の前の野原の中心に配置しています。
地面の傾斜や他の樹木は、大きな松の木の上向きの動きによって枝分かれしたかのように、大きな幹から離れて傾いています。中央の木の横には枝がなく、その苦悩と広がりをセザンヌ独特の表現法で描きました。
また青と緑の美しい調和と枝や葉に時折見られる暖かなタッチが、道路の強い黄土色の帯を拾い上げ、数少ない線で、空間の絶え間ない渦巻く流れ、風、濁りを作り出すことに成功しています。
セザンヌは木の中のドラマに焦点を当て、風に反応して葛藤する松の木を描いたのでした。
サンパウロ美術館所蔵。
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シュザンヌ・ブロックの肖像 パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの青の時代(※1)の作品です。本作は、2007年サンパウロ美術館で盗難に遭ったことがあります。半月後に犯人は逮捕され、絵画は無事美術館に戻ってきました。
それでは具体的に観て行きましょう。
ワグナー作の声楽家として有名なシュザンヌ・ブロックを描いた作品です。ペンとインクによるスケッチに、ペンとインクによるスケッチに、チョークなどの白色顔料と不透明水彩絵の具を使用して描く画法を用いて描かれています。
※1:青の時代(1901年 – 1904年):ピカソが19歳のとき、親友のカサヘマスが自殺したことに大きなショックを受け、鬱屈した心象を、無機顔料の青を基調に使い、盲人、娼婦、乞食など社会の底辺に生きる人々を題材にした作品を多く描いた時代。
ブラジルのサンパウロ美術館所蔵。
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