我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか ポール・ゴーギャン

フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの最も有名な作品(1897年)です。
本作には、ゴーギャンの人生観や死生観、独自の世界観などが描かれています。ゴーギャンは最愛の娘アリーヌの死の知らせを受けたこともあり、この作品完成後、ヒ素を飲んで自殺を図りましたが、未遂に終わりました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作はフレスコ画を意識して描かれていますが、「見る」のではなく右から左へと「読む」絵画です。
右端に描かれた眠っている赤ん坊にはじまり、左端に描かれた死を見つめる老女へと向かいます。
赤ん坊と老女の間には、複数の人物と動物のほかに「神」を思わせる像も描かれており、中央に立つ女性はリンゴに手を伸ばしており、イヴを連想させます。
強烈な原色的色彩と単純化・平面化された人体表現、光と闇が交錯する世界観はゴーギャン独自の絵画世界そのものであり、ゴーギャンの抱く思想や心理的精神性を、観る者へ訴え、問いかけているようです。
ボストン美術館所蔵
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ラ・ジャポネーズ クロード・モネ

19世紀フランス印象派の巨匠、クロード・モネの作品です。
本作は、モネの日本趣味が最も顕著に表れた作品で、かつ、モネ自身の西洋美術のアイデンティティも融合されている作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
描かれている女性は、モネの妻、カミーユ・ドンシューです。カミーユは武者の姿が刺繍された真っ赤な日本の着物を着て、手にはフランスの三色旗と同じ青・白・赤の扇を持たせ、金髪のカツラを被っています。そして、挑発するかのごとく、笑みを浮かべこちらを見つめています。
カミーユの本来の髪の色は黒色です。日本文化を象徴するオブジェクトで妻を取り囲みながら、わざわざ金髪のかつらを被らせているところに、日本美術への賛美と同時に西洋人である自身のアイデンティティを融合させています。
ホストン美術館所蔵。
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一杯のお茶 メアリー・カサット

アメリカの印象派を代表する女流画家のひとり、メアリー・カサットの作品です。
カサットは、独特の力強いタッチで、母と子の親密な絆と、女性の社会的および私的生き方を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作品の主題は、午後の一杯の紅茶から生まれるくつろぎと安らぎです。女性たちの間には親密な一体感が感じられ、人物以外の銀器やクッションなどには印象派の技法が見られます。
しかし他の印象派画家の作品にみられるような、人物が光に溶け込んでその存在が薄れるということは無く、個々の物や形は、力強いタッチで描かれています。
ボストン美術館所蔵。
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+3

ブージヴァルのダンス オーギュスト・ルノワール

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品。
田舎のダンス、都会のダンスと同年に発表された作品で、これらをダンスの3部作と呼ばれています。ダンスの3部作は、ルノワールがルネサンスの古典美術に触発され、それまでの印象派様式からドミニク・アングル風の様式へ移っていくきっかけとなった作品です。
具体的に観て行きましょう。
場所は郊外のダンスホール。麦わら帽子の男と赤い帽子の女が踊っています。足元に散らかったタバコの吸い殻が、庶民の楽しみの場であることを物語っています。流行の最先端である薄紅色のドレスは、ブラウスとスカートのアンサンブルです。
ルノワールの特徴である震え動くようなタッチは少なく、外光主義への拘りも薄れています。ルノワールの興味がルネサンス古典美術へ移って来ているのが伺える作品です。
ボストン美術館所蔵。
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