本を持つ聖母と幼子 ラファエッロ・サンツィオ

古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1503年頃)です。ラファエッロは数多くの聖母マリアと幼子キリスト画を描きました。それは、ただ単に美しい聖母マリアと幼子キリストというイメージだけでなく、高い精神性を持つ、瞑想の芸術であるとも言われます。ラファエッロの聖母像が多くの人々から望まれ、受け入れられたのは、この深い霊的なクオリティがある為です。
それでは具体的に観て行きましょう。
この絵画に描かれているのは、シンプルにそして自然に描かれたバランスのとれた穏やかな聖母マリアと幼子キリスト像です。分かりやすい配置で、聖母マリアと幼子キリストが共にピラミッド状に組みあわされ、顔と身体が幾何学的な構図を形成しています。
聖母マリアの優しい表情、後ろには穏やかな風景が広がり、聖母マリアの深く、青いマントのシルエットは幼子キリストを包み込み、胸元に置いた本にキリストが手を伸ばしていることでより本が強調されています。
また幼児キリストは聖母マリアの指に優しく手を触れています。本に描かれているのは、9時課であり、教会法上に従った聖務日課で修道士たちが毎日暗唱していた日課を示しています。9時課は、キリストの磔と死を記念するもので、幼子キリストは天を見上げ、人類の救世主としての自らの犠牲を予期しているかのように描かれています。
アメリカのノートン ・サイモン美術館所蔵。
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