アヴィニョンの娘たち  パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの作品です。
ピカソのアフリカ彫刻の時代(※1)の代表作で、キュビスムのはしりと言われる作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
バルセロナのアヴィニョン通りに存在した売春宿にいた5人の売春婦のヌード画です。
画面左側の女性の横顔は古代エジプト彫刻、中央の2人の顔には、イベリア彫刻、また、グロテスクに歪曲された右の2人の顔には、アフリカ彫刻の影響が見え隠れします。
そして、本作は絵画ならではの新しい現実感を得るために、事物の形をいったん解体したうえで、画面のなかで複数の視点から再構成する「キュビスム」のはしりと言われます。
さらには、遠近法や明暗法に基づく伝統的な絵画の約束事を根本からくつがえした点で、現代絵画の出発点とも言われる大作です。
ニューヨーク近代美術館所蔵。
※1:アフリカ彫刻の時代(1906年 – 1908年):ピカソがアフリカ彫刻や古代イベリア彫刻の影響を強く受けた時代。
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星月夜 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの代表作です。
本作でゴッホは、静寂に包まれた闇夜ではなく、自身のエネルギーを発散するかの如く、激情に溢れた夜を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
激しい筆致で描かれた星空の下には、それとは対照的に教会を取り巻く謙虚なムードの家屋が広がっています。また、教会の尖塔は背景に波立つ青黒い山々を貫くように誇張して描かれています。
前景にある大きな木は、まるで炎のようでキャンバスの下端から上端まで描かれており、それは土地と空を視覚的に接続する役割を果たしています。
渦を巻く暗雲やその中で光を放つ月は、一度見ると忘れることはできません。
ニューヨーク近代美術館所蔵。
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