フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品(1892年)です。
この作品のモデルとなっているのはゴーギャンのタヒチでの現地妻テハアマナです。
テハアマナが体験した非現実的な神秘と超自然的な恐怖をゴーギャンが表現した作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
ゴーギャンによると、ある日ゴーギャンが夜遅く家へ帰ったところ、部屋にいたテハアマナは動かぬままベットに打つ伏せになりながら死靈に怯えていたそうです。テハアマナは目を見開き、身体を硬直させながらゴーギャンを直視しています。左奥にはテハアマナが見た死霊が闇の中に潜むように横顔を覗かせています。
テハアマナが体験した非現実的な神秘と超自然的な恐怖を、楽園であるタヒチにも潜む生死の象徴として表現した作品です。
ニューヨーク州のオブライト・ノックス美術館所蔵
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カテゴリー: オルブライト=ノックス美術館(ニューヨーク州)
黄色いキリスト
フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの代表作です。
本作品は、絵画における象徴主義の重要な作品の一つと言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
黄色いキリスト像や敬虔な農婦らの姿、そして朱々と紅葉する木々、黄色く輝く丘などは太く明確な輪郭線によって個々が区別され、祈りをする女性達のみ陰影を付け強調されています。
背景はスクランブルの手法を使い空間の遠近を表していると同時に、秋をモチーフする黄色、赤、そして緑の色彩達を使用し、メインとなる黄色いキリスト像とお互いに共鳴しています。
クロワゾニスム(対象の質感、立体感、固有色などを否定し、輪郭線で囲んだ平坦な色面によって対象を構成する描写方法で、ポスト印象派の様式)で描かれた作品です。
ニューヨーク州のオルブライト=ノックス美術館所蔵。
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