教皇インノケンティウス10世の肖像

バロック期のスペインの画家ディエゴ・ベラスケスの最も有名な肖像画です。
ベラスケスは、卓越した人間観察によって被写体の内面までも深く掘り下げた肖像画を描きました。
本作を見て行きましょう。
赤と白で構成された画面は、鑑賞者に威圧的な印象を与えます。
教皇が身に着けている上着と帽子、椅子に張られた生地、背景の緞帳の赤が画面の1/3を、残りを下衣の白が占めています。背後は緞帳によって覆われ、余計なものは一切描かれていません。圧迫的な赤によって息苦しささえ感じる閉ざされた空間の中で、ただ1人で座りこちらに鋭い眼差し向ける教皇。
最高位の聖職者が備えていると思われる寛容で尊大な雰囲気とは異なる、抗えない威圧感を放つ肖像画です。ローマのドーリア・パンフィーリ美術館所蔵。
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