反逆天使たちを呼び覚ますサタン

18世紀イギリスの詩人、画家、銅版画職人、ウィリアム・ブレイクの作品。
ブレイクは英国ロマン主義の先駆者と言われています。
生きている間は、その独特で難解な作風のために狂人と見なされ、美術界や文学界から無視されていましたが、後に作品に秘められた哲学的で神秘的な意味とその創造力が再発見され、現在では、英国で最も重要な芸術家の一人とされています。
さて、本作は詩人ジョン・ミルトンの叙事詩「失楽園」(*1)を基に作成された挿絵の内の一つで、地獄の底で横たわっている天使たち(反逆天使)に向かって、「お前達よ起きろ!」と悪の主人公サタン(ルシファー)が呼び起こしている場面です。そして、「ひとまず住居を作ろう!」と彼らは地獄の資源で宮殿パンデモニウムを作りあげてしまいます。
古代彫刻を思わせるサタン(ルシファー)の凛とした男性美と、彼の足元でうずくまり、横たわる無気力な反逆天使との対照が印象的な作品です。
ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館所蔵。
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※1:失楽園は、イギリスの17世紀の詩人ジョン・ミルトンによって書かれた叙事詩で、旧約聖書の「創世記」を踏襲して作成されています。
神に反抗心を持つサタン(ルシファー)は志を同じくする天使と共に神に反逆し、敗北して反逆天使(悪魔)となります。
サタン(ルシファー)は反逆天使たちと共に神への復讐を考え、人間アダムとイブを堕落させることを思い付きます。かくしてサタン(ルシファー)は蛇の姿となってイブに禁断の実を食べるようそそのかし、彼女はその実を食してしまいます。

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