「リンゴひとつでパリを驚かせてみせる」と言って作った「リンゴとオレンジ」ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの静物画です。
セザンヌが構図を練りに練って作った作品です。構図的にも色彩的にも最も完成された作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
セザンヌは、この作品で、果物、花、水差しなどのモチーフを何処に置き、いかに全体を構成するか試行を繰り返しました。中央のリンゴを頂点とした三角の構図。白とは単純に言えないテーブル・クロスや同様にデリケートなニュアンスに富む背景の垂れ幕など、多様と統一、装飾性と古典的な構成とが渾然一体となった構成となっています。
そして、画面に描かれた3つの食器をよく見てください。どれも少しだけ見え方がおかしい事に気付きませんか?
とくに真ん中の柄つきの食器は、柄と皿の関係が歪んでいるうえ、皿の部分だけ少し上向きになりすぎてるように見えます。これは、皿の上の果物をより鮮やかに描くための工夫です。
セザンヌは、「リンゴひとつでパリを驚かせてみせる」と言って、本作品を作成したそうです。
オルセー美術館所蔵。
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カード遊びをする二人の男たち ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
セザンヌは同じテーマを繰り返して描くことが多い画家で、「カード遊びをする人々」も5点作成しています。本作はその中でも一番評価が高い作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
2人の男はカードに目を落としていますが、楽しんでいるふうでもなく、なんとなく表情が暗くて、2人の間に置かれた酒ビンからも、うらぶれた雰囲気が漂ってきます。
一見ありふれた田舎の光景ですが、よく見ると遠近法無しに描かれています。
テーブルは、横や上や複数の視点から同時に見たように落ち着かない感じで、前方にぐっと傾き、向かい合った2人の男の曲げた肘は画面に対して平らに上下に並んでいるように見えます。
見れば見るほど不自然なのに、それでいて均衡を保っています。セザンヌならではの幾何学的構図で作成された作品です。
オルセー美術館所蔵。
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ヴァイルマティ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品です。
ゴーギャンが二度目のタヒチ滞在時に描いた作品です。
前景の若い女性ヴァイルマティは、半神の化身で、タヒチの伝説に登場する創造神オロの妻となった女性です。
彼女は王座のようなものに座り、後光のような背もたれはボロブドゥール寺院の浮き彫りからとられたモティーフで飾られています。
右上の角の人物にもボロブドゥール寺院の要素が見て取れます。左下の奇妙な白い鳥が爪でトカゲを捉えています。これはゴーギャン曰く「無意味な言葉の無益さ」を表しているそうです。
オルセー美術館館所蔵。
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落ち穂拾い

19世紀フランスのバルビゾン派の創設者の一人、ジャン=フランソワ・ミレーの代表作です。
バルビゾン派の画家たちは、フランスのバルビゾン村やその周辺に居住し、自然主義的な風景画や農民画を写実的に描きました。
この作品は、パリ郊外のシャイイにある農場を舞台に描かれた作品です。収穫後の田畑に散らかる穀物の茎穂を、農婦たちが拾う様子が描かれています。
麦刈りのあとに畑の落穂を拾い、自分たちの糧とすることを許された貧しい人々です。
遠景には大量の小麦を積み上げる農夫が描かれており、前景で少ない穂を集める大変な労働と対比して描かれています。
ミレーによって描かれた農婦たちの姿は美化されることなく、ありのままにキャンバスに描かれていますが、貧しいながら懸命に働く農婦たちからは崇高さが感じられます。
オルセー美術館所蔵。
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晩鐘

19世紀フランスのバルビゾン派の創設者の一人、ジャン=フランソワ・ミレーの代表作です。
バルビゾン派の画家たちは、フランスのバルビゾン村やその周辺に居住し、自然主義的な風景画や農民画を写実的に描きました。
この作品もバルビゾン村での農民画で、ジャガイモ収穫期の二人の農夫を描いています。農夫の足元には小さなジャガイモのかごがあり、その周辺に荷車と干し草用フォークがあります。
農夫は地平線に見える教会から鳴り響く晩鐘と共に祈りをささげています。
鳴り響く晩鐘? そう、この作品を見ていると、画面全体に響き渡る教会の鐘の音が聞こえくるような錯覚を覚えます。
「遠くのものは青く、近くのものは赤い」という色彩の遠近法が使われています。それが、大地の広がりと、遠くにある教会からの晩鐘が画面全体に広がっているように感じさせるのです。
オルセー美術館所蔵。
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ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会

19世紀フランス印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品です。
ルノワールは、物の固有色という固定観念を否定し、目に映る色彩をそのままキャンバスに写し取ろうとしました。パレット上で絵具を混ぜず、細かなタッチをキャンバスに並べることで、臨場感を伝えるとともに、戸外の光の明るさを表現、思い切った輪郭線をぼかす手法を使って、絵画を描きました。
それでは、具体的に観て行きましょう。
舞台となっているのは、当時モンマルトルで評判の店です。右前方の人物から左中景で踊るカップルを経て、その奥のカップルへと、我々の視線はジグザグ上に導かれていきます。
前景の表情が判る人物から背景の簡単なタッチによる人物の群れまで、思い切った輪郭線をぼかす手法を使って、この憩いの場の幸福感、高揚感を表現しています。
オルセー美術館所蔵。
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19世紀フランス絵画界新古典主義の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルの代表作です。
アングルは、ルネサンスの古典を範と仰ぎ絵画制作の基礎として尊重しました。また、色彩や明暗よりも形態を重視し、自然を忠実に模写することよりも自分の美意識に沿って画面を構成しました。
それでは具体的に観て行きましょう。
画面中央に配される泉の擬人像は正面を向きつつ首を右側に傾げ、下がった左肩に水が流れ出る水瓶を乗せながら全身をS字にしてバランスをとっています。
体の重心を左足にのせ、もう片方を遊脚にすることで、全身をS字形に流曲させる姿態は、古代ギリシャの彫刻家が祖とされ、新古典主義の典型的な作品と言えます。
また、皺ひとつない大理石を思わせる滑らかな肌や皮膚、均整的で理想化を感じさせる調和的な裸婦の肉体、無駄がなく明快で理知的な構図と正面性、動きの少ない安定した画面構成など、芸術におけるひとつの完成形として、後世の画家たちに多大な影響を与えた作品です。
オルセー美術館所蔵。
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オルセー美術館ベスト5。

パリに戻りオルセー美術館へ
私が気に入っている絵を紹介します。
と言うか知ってる絵です(・_・;
「自画像」ゴッホ(左上)
「Bathers」セザンヌ(真ん中上)
「ローヌ川の星月夜」ゴッホ(右上)
「サーカス」スーラ(左下)
「落穂拾い」ミレー(真ん中下)
右下は、オルセー美術館の内装です。
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ゴッホ代表作、自画像。

ゴッホの代表作ですね。^_^!
これで、パリともお別れです。パリは、ルーブル美術館とオルセー美術館で「もうお腹一杯」って感じでした。本当は一週間ぐらい滞在してじっくり絵画を見てみたいと思いました。
でも時間が来たので、パリとお別れです。
パリでは英語表記が少ないので、「フランス語がしゃべれないと住みにくい街だなぁ。」と思いましたが、MRTやRERの乗り方や路線図が判って来ると市内交通が発達していて、なかなか便利じゃないかと思う様になって来ました。
でも東京と同じで物価が高く、コンビニが少ないところは最後まで馴染めませんでした。

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