ゴーギャンの家の広間(カルセル街の画家の室内) ポール・ゴーギャン

フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの初期作品(1881年)です。
パリのバージラール地区カルセル街にあった、ゴーギャンの自宅を描いた作品です。ゴーギャンの妻メットへ画家としての信念を伝えようと制作されたと言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
中央奥で男と話をしているのは、ゴーギャンの妻メットです。薄暗い部屋の手前中央に色鮮やかな花を置き、全体にアクセントを持たせています。
手前にテーブルを置き、仕切りの向こうに会話する人を描くことで部屋の空間性を表現しています。そして、ゴーギャンの妻と話をしている男性からは、何故か孤立感が漂っています。
本作から感じられる心理的緊張感や孤立感は、この情景に相応しいであろう平穏で温かな雰囲気とは正反対であり、観る者へ鮮烈な印象を与えます。
ノルウェーのオスロ国立美術館所蔵
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生命のダンス エドヴァルド・ムンク

19-20世紀のノルウェー出身の画家、エドヴァルド・ムンクの作品です。
1890年代に制作された「生命のフリーズ」と言われる作品群の一つで、主題は「愛」と「死」、愛と死がもたらす「不安」です。
それでは具体的に観て行きましょう。
中央で踊る男女は夢遊病者の様に身体を揺らせています。赤いドレスは男性の足元を包み込むような動きがあり、踊る男女の躍動感を演出しています。
左には純潔・無垢を象徴する白い服を着た女性が、踊る二人を期待に満ちた眼差しで見つめています。女性の脇に咲く可憐な花は青春の初々しい生命の象徴です。
一方、右端の黒い服を着た女性は、生命の虚しさ、愛の悲しみを思い知ったかのように、踊る二人を力なく見ています。
「愛」と「死」、及び、愛と死がもたらす「不安」が表現されています。
オスロ国立美術館所蔵。
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思春期 エドヴァルド・ムンク

19-20世紀のノルウェー出身の画家、エドヴァルド・ムンクの作品です。
本作はムンクの性的な憂鬱を反映した作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
ベットにひとり座り、不安げな眼差しで正面を凝視する全裸の少女。
足は閉じ、手は身体の前で交差しています。右手は膝の間に挿し込むように置かれ、左手は太ももの上に置かれています。
口は閉じ、長い髪が肩の上にぶら下がっています。画面左から光が差し込み、画面右後ろの影が何か不吉なものを訴えかけて来るようです。
少女の不安と恐怖、少女の性的目覚め、若者が成熟に向かって身体的にも精神的に変化するときの経験が描かれている作品です。
オスロ国立美術館所蔵。
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叫び エドヴァルド・ムンク

19-20世紀のノルウェー出身の画家、エドヴァルド・ムンクの代表作です。
幼少期に母親を亡くし、思春期に姉の死を迎えるなど病気や死に直面したムンクは、”愛”と”死”とそれらがもたらす”不安”をテーマとした「フリーズ・オブ・ライフ」と称する作品群を描きました。「叫び」はその内の一作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
耳を塞いで恐れおののく人物。それに加え、斜め走る通路から生まれる画面左奥へ収斂してゆく空間。それが心理的な緊張感を一層高めています。
この作品は、ムンクが感じた体験に基づいて描かれており、ムンクは日記にその時の体験を次のように記しています。
「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。」
つまり「叫び」は描かれている人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいる姿を描いているのです。
オスロ国立美術館所蔵。
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