ジャ・ド・ブッファンの栗の木 ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
シンプルな整列と奥行きの中でのわずかな傾きが、高貴な静けさ作り出している作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
風景のメインとなりそうな遠くの山の山頂は、二本の木に隠れています。
木の幹は、太さ、傾き、枝分かれ、間隔、光の加減などで緩やかに変化しており、そこには硬さや緊張感はありません。木々の垂直に上昇する力は、細く軽い枝の中で徐々に分散され、最終的には空の蒸気の中に消えていくようです。
重い枝が気付かないうちに現れ、建物や小さな木の輪郭に溶け込んでいます。それらの対角線上の動きは、山頂の傾斜した青と絶妙に呼吸しています。
根元には、緑の広い帯があり、垂直の木々の灰色の紫や茶色とは対照的に、多くの色調でじゅうたんの様に描かれています。後方には黄色と薄緑の断続的な水平の帯があり、続いて石の壁と家が続き、木の光と影の色調を繰り返しています。
色とタッチの両方を徐々に明るくしながら、空間の下半分に水平線と垂直線のグリッドを作り出し、それらは屋根、丘の中腹、遠くのピークの傾斜した形を通して、徐々に上斜めのネットワークへと変容していきます。
シンプルな整列と奥行きの中でのわずかな傾きが、高貴な静けさ作り出しています。
アメリカ、ミネソタ州のミネアポリス美術館所蔵。
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