魔女キルケ

この絵画は16世紀フェラーラ派を代表する画家ドッソ・ドッシの作品で、難解で文学的な魅力に包まれた名作と言われています。
ドッソ・ドッシ独自の色彩による光と陰影の描写と安定的な構図が一体となった素晴らしい作品ですが、謎は尽きません。
この女性はだれ? 犬や鳥、それに鈍く光る甲冑はどういう意味? そして、画面右奥で語り合う3人の男たちはどういう人たち?
この謎を有望な説で解説していきましょう。
女性はキルケ。自身の敵と見做すものを、自らの魔力によって、ライオンや狼などの獣や怪物に変えてしまう魔女です。彼女は、呪術具らしき人形を見つめ、手には古文的文献と火が灯される松明が握られています。足下には円形の魔方陣や武具、幻想的な犬などが配され、キルケの魔女たる所以を表現しています。
画面右奥の3人の男は、オデュッセウス一行と思われます。これは伝説的逸話で、一行は魔女キルケによって豚に変えられてしまいますが、オデュッセウス自身はローマ神話の守護神、ヘルメスに授けられた薬草モーリュによって魔女キルケの魔法に打ち勝ちます。
一方、このような解説はさておき、魔女キルケの華麗な衣装には魅せられます。その魅力は安定的な構図に支えられており、後方の生き生きとした遠方まで見渡せる景色が引き立てているのです。
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3+

天上の愛と地上の愛

15世紀ルネサンス期ヴェネツィア派巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオの代表作。
この絵画はティツィアーノが29歳の時に描いたもので、若きティツィアーノの才能溢れる作品です。
それでは、具体的に見て行きましょう。
裸体で描かれた生命力に溢れるヴィーナス、輝きを帯びる美しい色彩、優雅で田園的な雰囲気等、ついつい見とれてしまいます。また、ヴィーナスがまとっている布の赤と、左の女性が着ている白いドレスの袖の赤が、画面のアクセントとなっています。
そして、ヴィーナスが天上の愛、その左の女性が地上の愛の象徴です。ヴィーナスが着衣の女性に語り掛けている動作は、地上の愛が天上の愛へと高まっていくことを教え示唆しています。
ボルゲーゼ美術館(ローマ)所蔵。
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2+

電話予約が必要なボルゲーゼ美術館。

ボルゲーゼ家歴代の美術コレクションが展示されています。
ボルゲーゼ家はシエナ出身の貴族で、教皇パウルス5世を出した名門。
美術館は完全予約制で、電話で予約します。
おぼつかない英語の為、3回途中で電話を切られてしまいましたが、執念深く電話をし、翌日の予約が取れました。
電話でクレジットカード番号を教えたので、不安になり、不正使用されていないか確認を取りました。不正使用は無かったですが、こういう時は与信枠が少ないクレジットカードを使わないといけないですね。
不正使用有無の確認の折には日本支援者の援助を受けました。この場を借りて御礼申し上げます。

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