ブレダの開城

ディエゴ・ベラスケスの代表作です。
オランダの要衝ブレダを巡るオランダとスペインの攻防戦の結末を描いています。
前景中央では、両軍の将が馬を降り、ブレダ総督ナッソウは降伏の印として城門の鍵を勝者に差し出しています。左右では、オランダ軍とスペイン軍を動と静、自由と規律、弛緩と高揚の対比で表現しています。特に見た人を画中に引き込む、後ろ姿の馬が見事です。後ろ姿の馬の奥右隣の帽子の男は、ベラスケスの本人です。
<MAP>

ヴィッラ・メディチ庭園の景観(アリアドネの館)

ヴィッラ・メディチ庭園の景観(洞窟の入口)と対をなすディエゴ・ベラスケス作品です。
前作と比較すると粗いタッチが目立ち、下書き的要素が強いものの、自由で開放的な筆使いが画面の隅々にまで感じられます。
午前中の爽やか空気や木漏れ日などの描写に、光に対するベラスケスの強い関心が表れています。プラド美術館所蔵。
<MAP>

ヴィッラ・メディチ庭園の景観(洞窟の入口)

ディエゴ・ベラスケスの作品。制作年は1630年で、プラド美術館に所蔵されています。
ベラスケスが描いた風景画は2作品しか現存しませんが、本作はその内の一枚で、実際の風景をみて、写生的に描かれています。ロランやプッサンの理想的風景とは異なり、戸外でスケッチした風景を画家がアトリエで完成させもので、ベラスケスの興味は戸外の光を描くことにあると言われています。。
<MAP>

エゼキエルの幻視

古代風の廃墟でうまる谷を舞台として、ひと際高い丘の上で右手を上げて立つのは旧約聖書中の預言者エゼキエルです。場面はエゼキエルの書37章前半の幻です。フランシスコ・コランテスは、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスとほぼ同時代に生きたマドリード画派の一人で、当時のスペイン人としては珍しく、小人物や建築をモティーフとした風景画で新境地を開拓しました。
<MAP>

静物(ポデゴン)

フランシスコ・デ・スルバランは、単純で、ややもすれば単調に陥りかねないほど簡素な構図で、事物を正確に描きます。単純・簡素化により画面には厳粛さを帯わせ、造形物を崇高なまでに純化する事に成功しています。物の本質を照らし出す聖なる光の下に並べられた様々な食器には存在感が感じられ、”もっとも卑近なものの中にこそ神を見る”というスペイン的な宗教精神が伺えます。
<MAP>

聖ペドロ・ノラスコの幻視

スペインのセビーリャで活躍した画家フランシスコ・デ・スルバランはカラヴァッジョ風の強い明暗画法と実写的表現を学び、多くの宗教画を描きました。特に布の描写に優れ、修道士の身を包んでいる白い布が生み出す微妙なトーンを描くことを得意としていました。しかも全体の構図は質素で、瞑想的な静けさに満ちています。
<MAP>

快楽の園

初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスの代表作。
三連祭壇画で、両翼は裏と表に描かれており、閉じた時に両翼パネルが合わさって「天地創造」を表します。
開くと写真の様に、左に「エデンの園」、右に「地獄」、中央画面に「快楽の園」が描かれています。
<MAP>

十字架を担う聖アンデレ

17世紀ナポリ派の始祖的存在の巨匠フセペ・デ・リベーラの作品。
静寂の中で差し込む光で聖アンデレを浮かび上がらせることにより、聖人の深い精神性を表現しています。このような表現手法がリベーラ様式の特徴であり魅力と言われます。
聖アンデレは東方正教会(ギリシア正教)の地、ギリシアやロシアで特に崇拝されている聖人で、キリスト十二弟子のひとり。兄は十二弟子の筆頭である聖ペテロです。聖アンデレはローマ総督アイギアスの怒りを買い、笞打ち刑に加え、X形十字架へ逆さ吊りの刑に処され殉教しました。
<MAP>

アダムとイブ

「アダムとイブ」は、アルブレヒト・デューラー(1471年-1528年)の代表作。
デューラーは、ドイツのルネサンス期の画家、版画家、数学者です。同名の父・アルブレヒトは、ハンガリーからドイツ南部に移住してきたマジャル人金銀細工師でした。
真の美は身体各部の「比例・均等」にあるという思想は地中海的・ラテン的な伝統で、アルプス以北には存在しなかった考え方でした。
この事実を悟ったデューラーは、古代の彫刻を模写しながら「アダムとイブ」を独自に築き上げた理想美で描きました。
<MAP>

Copyrighted Image