19世紀のドイツ・ロマン主義を代表する画家、フィリップ・オットー・ルンゲの作品です。
ルンゲは自然の中から、自分が神性を感じるものを表象として用い、それらを再構成して絵画を描きました。
ルンゲの描く風景画は、自然を写し取ったものでも、フリードリヒのように自然の背後にある神性を捉えようとしたのでもなく、自分が目にする(神性を感じる)世界と神を感じるままに結びつけ描きました。
それでは、具体的に観て行きましょう。
広い野原に朝日が差し、空は曙色を残しながらも、金色から青に変わりつつあります。その空に髪をなびかせ舞うのは、曙の女神アウローラです。
草地には生まれて間もない朝の子供が光を浴びて横たわります。これが、ユンゲが感じた、人間社会と神が結び付いた一場面でした。
ハンブルク美術館所蔵。
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氷海(希望号の難破)

18世紀から19世紀のドイツロマン派の画家、カスパル・ダーヴィト・フリードリヒの代表作です。
フリードリヒの風景画は「悲劇的な風景画」と呼ばれ、厳しい自然に対する恐怖や恐れをキャンバスに描きました。その風景画は、内省的で孤独感や閉塞感に溢れていますが、同時に心象的、宗教的なメッセージも伝わってきます。
では、具体的に観て行きましょう。
寒々とした北の海に分厚い氷が積み重なり、まるで墓標のようにも見える大きな氷塊の中に無力な船「希望」が描かれています。そこには一木一草もなく、生命の息吹が途絶え、何ひとつとしてない無音の世界です。
なんとも閉塞感の漂う作品ですが、同時に氷の層は、天をめざし、やわらかな光に包まれていることから、希望は決して失っていないというメッセージが伝わってきます。
ハンブルク美術館所蔵。
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