グルメ パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの青の時代(※1)の代表作です。
作品では、小さな子供が大きなボールを両手で抱え、底に残っている最後の一口をスプーンで掬い取ろうとしている様子を描いています。青色以外に白色、黄色、オレンジ色など明るい色遣いが特徴的な作品です。
そして、作品では、青色とコバルト色で塗られたキャンバスの下に女性の肖像画が隠されています。当時、ピカソには金銭的な余裕がなく、新しいキャンバスを購入できなかった為、一度描いた作品を塗りつぶしたうえで別の作品を描き直すことも多かったと言われており、青青の時代の作品には、別の絵画が隠された作品がたくさん見つかっています。
※1:青の時代(1901年 – 1904年):ピカソが19歳のとき、親友のカサヘマスが自殺したことに大きなショックを受け、鬱屈した心象を、無機顔料の青を基調に使い、盲人、娼婦、乞食など社会の底辺に生きる人々を題材にした作品を多く描いた時代。
ワシントンDCのナショナル・ ギャラリー・オブ・アート所蔵。
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2+

サルタンバンクの家族  パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの作品です。
本作は、ピカソの「バラ色の時代」(※1)の代表作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
砂漠を背景として巡業するサーカス芸人のサルタンバンク一家を描いています。常に一緒に行動しているように見えるサーカス芸人たちだが、絵の中の6人は互いに目を合わさず、コミュニケーションのようなものは感じられません。
ピカソはサルタンバンク一家を通して、自分自身を描いており、独立精神」「孤独」「貧しさ」「放浪」を表現しました。そのため、背景はパリではなく砂漠に設定されています。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
※1:ばら色の時代(1904年 – 1906年):ピカソがフェルナンド・オリヴィエという恋人を得て、サーカスの芸人、家族、兄弟、少女、少年などを題材に明るい色調で描いた時代。
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3+

ラ・ムスメ(少女の肖像) ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホは、浮世絵など日本に憧れを抱いていたことで有名ですが、本作は作品名に日本語の「娘(ムスメ)」が付けられた作品です。
具体的に観て行きましょう。
日本語の「娘(ムスメ)」という名前が付いているものの、描かれている娘に日本的特徴は殆どなく、顎が小さくやや膨らんだ頬など少女の顔立ちに僅かな異国情緒と東洋的なイメージが若干感じられる程度です。
丸みのある椅子に腰掛けた若い娘は、少し緊張の表情を浮かべながら、左手には花を持っています。
刺激的で、ある意味幻覚的な衣服や水玉模様のスカートに用いられている赤や青、橙などの原色と、背景の水色の使用などに、ゴッホ独特の色彩感覚が表れています。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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3+

アルジャントゥイユの橋 クロード・モネ

19世紀フランス印象派の巨匠、クロード・モネの作品です。
モネはセーヌ川とこれに架かる橋を繰り返し描きました。その中でも本作は、色彩分割による印象主義的表現の完成度が高い作品と言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作はパリの北西、セーヌ川右岸にある街、アルジャントゥイユにある橋の情景を描いた作品です。変幻自在の水の戯れと水面に揺れる光、空、雲に対し、その上に架かる橋は揺るぎない存在感を示しています。
両者の堅(橋)と軟(水)、静(橋)と動(水と光)、あるいは人工(橋)と自然(水と光、雲)の対比がされています。また、岸辺の草木から無人のボートを経て川面を滑るヨットの白い帆、さらに向こう岸の家に至るまでの自然に空間表現が見事です。
これらは、色彩分割(絵具を混合させない筆触分割)による水面の描写が土台となって成立しています。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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3+

光輪のある自画像 ポール・ゴーギャン

フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの自画像代表作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
赤一色の背景をバックにし、ゴーギャンの頭上には光輪が描かれており、己の姿を聖なる存在として表現しています。絵の手前には花と植物が、そして、ゴーギャンのすぐ傍にはりんごが2個ぶら下がっており、手の指と指の間には蛇も描かれている奇妙な作品です。
この作品から、ゴーギャンが浮世絵やクロワゾニスム(※1)の影響を受けていることが判ります。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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※1:クロワゾニスムとは、対象の質感、立体感、固有色などを否定し、輪郭線で囲んだ平坦な色面によって対象を構成する描写方法で、ポスト印象派の様式です。

2+

人生航路:青春期

19世紀アメリカのハドソン・リバー派(※1)の画家トマス・コールの作品です。
コールは、ロマン主義と自然主義をテーマに、現実的かつ詳細な描写により、アメリカの風景と自然を表現しました。
それでは具体的に観て行きましょう。
この作品は、人間の誕生から死に至るまでの一生を船旅に例え製作した4連作の一つです。
綺麗な風景の中に、一人の青年と天使、そして遠くの空には青年の野心と夢を表す白く揺らめく光の様な幻の城が浮かび上がっています。
青年の後ろで手を差し伸べているのは天使だろうか。
そんな天使の存在には気づかず、青年は空に手を伸ばし、蜃気楼の城に近づこうとしています。
ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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※1:ハドソン・リバー派とは、ロマン派の影響を受けたアメリカの風景画家のグループによる、19世紀中頃の美術運動の事です。

3+