赤いチョッキの少年 ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
セザンヌが、初めて一流のモデルを使って描いた作品で、モデルに様々なポーズを取らせて、この作品を含む4点の油絵と2点の水彩画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
それまでのセザンヌの作品と比べて全体がずっと整理され、色彩も鮮やかに描かれています。中央の少年の右腕が長く引き伸ばされ大きく描かれています。それは、袖のついている左腕と比較するとよりはっきり判ります。しかし、この絵からは、右腕の異常な大きさにあまり違和感は感じません。
少年の右腕は、絵画画面の中心にどっしり大きく据えられた大黒柱のようなもので、全体に安定感を与え、それを通じて、画面に美しさと奥深さを生じさせているのです。
そして、鮮明な赤チョッキに強いインパクトを感じます。 少年の身に着けた、赤、白、青が魅惑的です。 少年が肘をついている椅子の緑も、並大抵の色ではありません
「色彩が豊かになるほど形が豊かになる」というセザンヌの言葉の実践がこの作品に表れています。少年の長く伸びた腕を覆うシャツ、右端のソフアの上に載る四角い紙は光を反射して白く輝き、その周囲に配された、ボリュームのあるカーテン、少年の膝をつく椅子の濃い色調と、鮮やかな対比を見せています。
チューリヒのビュールレ・コレクション所蔵。
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下記はセザンヌが本作と同じモデルを使って描いた、残り3作の油絵です。

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