オーヴェルの眺め ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌ(1874年)の作品です。
一見すると無造作で雑然とした絵に見えますが、全てが一体となっている作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
オーヴェルの眺めは、ほぼ全方向に、等しく広がっており、高い地平線の下には明確な道も支配的な線もありません。家々、木々、畑などが果てしなく点在していますが、柔らかい緑の平原の中にある村に入るための道はありません。
青、赤、白の強いタッチは小さく散りばめられており、白の量は、しばしば隣接する淡い色と弱く対比され、全体を明るく、柔らかくしています。
パノラマの奥行きは、収束した線ではなく、重なり合った部分の後退により、どんどん小さくなっていきます。地平線の近くには強い緑が、中央の空間には鋭い赤があり、前景と遠景には同じ柔らかな色が現れます。
近い空間と遠い空間の一連の緑の違いは非常に洗練されています。色の強さ、隣り合う色調のコントラストの度合いは、前景と地平線の間のわずかな間隔で変化しています。
前景の青い屋根は弱めの赤と結合し、中間の明るい赤は弱めの青と緑と結合しています。右前景の青に対して黄色、中間距離の緑に対して赤、地平線の水色に対して緑です。このような配色の中で、私たちの視線は、前景と中景の相対的な混沌とした状態から遠景の明晰さへと誘導されます。
この開放的で分散した世界には、自由が感じられます。一見すると無造作で雑然とした絵に見えますが、全てが一体となっているのです。
シカゴ美術研究所所蔵
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2+

リンゴの籠 ポール・セザンヌ

フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
本作はセザンヌの「絵は自然の再構成だ」という主張が、明確に表れた作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は四角い木製のテーブルの上に置かれたリンゴと籠、白布、ワイン瓶、そして皿に盛られたビスケットを描いた作品です。
しかし、目の前の物を見えるとおりに描くと、決してこんな絵にはなりません。
真ん中に立っている瓶は不自然に傾いていますし、皿の上のビスケットは今にも崩れそうです。テーブルの形も歪んでいます。向う側の縁のラインが右と左で異なっており、手前のラインも一致していないばかりか、側面部分は煩雑で、纏まっていません。そして、籠も明らかに傾き過ぎています。
しかし、これらは全て、画面中央の一個のリンゴの存在感を描くために仕組まれているのです。籠の不自然な傾きも、画面全体の空間的な曖昧性を消し、画面に安定感をもたらしています。
自然をそのまま描くのではなく、セザンヌの視点で、吟味、再構成された事が良く判る作品です。
シカゴ美術研究所所蔵。
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3+

母と子 パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの作品です。
ピカソの新古典主義の時代の代表作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
母と子は、アングルやルノワールの影響を受けて描かれた作品です。母の膝の上に子どもが座って、母に触ろうとしています。ギリシア風ガウンに身を包んだ母親は、膝の上の子どもをじっと見つめています。背景は砂場と海と空でシンプルに描かれています。
母と子に対するピカソの視点は感傷的なものではなく、この時代のピカソ自身の人生が反映されています。この作品を描いた1921年は、ピカソがロシアの踊り子であるオルガと結婚し、第一子が生まれた年です。本作からピカソの家庭的な平穏と安定が見て取れます。
シカゴ美術研究所所蔵。
※1:新古典主義の時代(1917年 – 1925年):ピカソはローマ旅行で古代ローマやルネサンスなどの様式に感銘を受け、自身の作品に古典様式を導入し始めるようになります。
この新古典主義の時代に、妻オルガと息子パウロをモデルに、どっしりと量感のある、身体に比べて大きい手足、彫刻のような肉体、額から続く高い鼻などの特徴がある絵画を数多く描きました。
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2+

老いたギター弾き  パブロ・ピカソ

19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの作品です。
本作は、ギター弾きを題材に悲惨さとわずかな希望を表現した、ピカソの「青の時代」(※1)の作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
ボロボロの擦り切れた服を身につけ、やつれてうなだれた盲目の老人が、スペインのバルセロナの通りでギターの演奏を弾いている情景を描いています。
ギター弾きには、すでに生命力がほとんどなく、死が迫っているようなポージングは、状況の悲惨さを表しています。
一方で、手に持つ大きな茶色のギターは、青みがかった背景から最も離れたカラーで、観る者の視点を中央に引き寄せる効果を持つだけでなく、ギターはその絶望状況下で、唯一、生存するための小さな希望を象徴しています。
シカゴ美術研究所所蔵。
※1:青の時代(1901年 – 1904年):ピカソが19歳のとき、親友のカサヘマスが自殺したことに大きなショックを受け、鬱屈した心象を、プロシア青を基調に使い、盲人、娼婦、乞食など社会の底辺に生きる人々を題材に作品を描いた時代。
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2+

ムーラン・ルージュにて アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

19世紀のフランス画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの代表作です。
ロートレックは、自然の風景よりも、バー・競馬場・芸人・娼婦など、都会的なものを多く描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作に描かれるのは、豪華かつ個性的な内装や人気ダンサーの採用などで、モンマルトル随一のダンスホールとなっていた、ムーラン・ルージュの情景です。
作品の中で最も目を惹きつけるのは、画面右端に描かれている黒い衣服に身を包んだ女性の姿です。大胆に切り落とされた女性の顔が、人工的な緑色の光と影の不気味さと相まって、観る者に鮮烈な印象を与えます。
そして、画面全体を支配する享楽と退廃が混在する独特の雰囲気! これが、ロートレック作品の特徴です。
シカゴ美術研究所所蔵。
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3+

グランド・ジャット島の日曜日の午後 ジョルジュ・スーラ

新印象派の創始者で、点描という新たな様式を確立した19世紀末フランス画家、ジョルジュ・スーラの代表作のひとつです。個人的にも一番好きなスーラ作品です(^^)。
スーラは合理的で数学的なものへの情熱を絵画へ注ぎ、構図、色彩、光などの緻密な計算を基に絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作品は、パリ近郊のセーヌ川の中州で夏の一日を過ごす人々を描いています。
ここで用いられた点描法は、近くで見ると小さな色点の集積に過ぎませんが、離れて見ると隣り合った色同士が混ざり合って見えます。それはパレット上で、その2色を混ぜ合わせた場合よりもずっと明るく、みずみずしい作品となっています。
物の色彩には、光が直接当たる部分や陰になる部分、反射光や周囲の色の影響を受ける部分、対象の周囲に感じられる補色などがあります。スーラは、それらの色彩を可能なかぎり精細に分析し、それぞれに応じた量の色の点を粘り強く画面に並べ、完成させた作品です。
シカゴ美術研究所所蔵。
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2+

アメリカ三大美術館の1つ、シカゴ美術館。

ニューヨークのメトロポリタン美術館、ボストン市にあるボストン美術館とともにアメリカの三大美術館の1つに数えられる美術館です。
スーラの『グランド・ジャッド島の日曜日の午後』のある美術館。

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