郵便配達夫ジョゼフ・ルーランの肖像 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホ特有の大胆で荒々しい筆触による形態表現と豊かな色彩描写が素晴らしい作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
ゴッホの南フランスのアルル滞在時代、ゴッホへの援助を行っていた郵便配達人ジョゼフ・ルーラン氏を描いた作品です。
郵便配達人の制服を着たジョゼフ・ルーランは、澄んだ緑色の瞳でこちらを見ています。赤味がさす頬から顎にかけては髭が蓄えられており、その形状は巻き毛で描写されています。帽子や制服の清潔な紺色と対比するかのように緑色の背景には紅白の花が描き込まれています。
ゴッホは、顔や髭部分は勿論、制服や帽子、背後の緑色まで勢いのままに描写されたかのような大胆で荒々しい筆触で本作を描きました。これによりゴッホは、ジョゼフ・ルーランの素朴さを表現したのでした。更に緑色、青色、黄色、乳白色、赤色を画面の中で絶妙に引き立て合わせることで、ジョゼフ・ルーランの人物像をも見事に描き出すことに成功しています。
オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵。
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3+

夜のカフェテラス ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホは、初めてこの絵で黒をあまり使わず夜空を描きました。
因みにモデルとなったカフェは、今もアルルで「カフェ・ファン・ゴッホ」の名で存在します。
それでは具体的に観て行きましょう。
南フランスのアルルの星空の下、人で賑わうカフェテラスが描かれています。このカフェテラスは比較的裕福な階級層向けのカフェテラスです。
画面左側に当時の文明の発展を象徴するガス灯の黄色の光に照らされ、カフェが輝くように描写されています。画面右側と前景にはカフェへと続く石畳、そして一本の杉が描かれています。一方、画面上部には窓から光の漏れる薄暗い旧市街の町並みと、青々とした夜空が配されています。
黒色を全く使用しない黄色と深い青色で描かれる夜の表現は、ゴッホが本作で取り組んだ最も大きな要素のひとつです。この黄色と青色を主体とした色彩表現は、観る者の心を奪います。
オランダのクレラー・ミュラー美術館所蔵。
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2+

種まく人 ファン・ゴッホ

オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
本作は、南フランスのアルル滞在時に、ミレーの代表作「種をまく人」に影響を受け制作された作品です。ゴッホの色彩家としての才能が顕著に表れた傑作と言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
画面上部ほぼ中央には、強烈な光を放ちながら地平線へと沈みゆく太陽が配され、遠景の麦畑を黄金色に輝かせています。中景の畑は陽光の黄色と対比するかのように青色の凹凸の陰影が斑状に描き込まれています。その畑には種を撒く農夫が配されており、逆光に包まれたその姿からは人間としての力強い生命力が感じられます。
外側へと弾けだしそうな筆触による激しく鮮やかな陽光の色彩。そして、黄金色にうねる麦畑により、人間の生への希望や生命の再生が見事に表現されています。
オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵。
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2+

海 ヤン・トーロップ

ジャワ島出身のオランダ人画家、ヤン・トーロップの作品です。
トーロップは、ベルギー・オランダ新印象派画家のひとりです。トーロップの興味は広く、様々な画風の絵画を残していますが、本作は点描の作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
打ち寄せる小波の水平の繰り返しの中、わずか三艘の船のマストが垂直の要素として配されています。三艘の船は波の繰り返しの単調で穏やかな調子に飲み込まれ、ほとんど背景に溶け込んでいます。
淡い色彩が層を成す、打ち寄せる小波を描いた点描作品です。
オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵。
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3+