ほつれ髪の女 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの円熟期に描かれた傑作の一つです。
それでは具体的に観て行きましょう。
モデルの女性は穏やかに下を見つめ、目は半分閉じており、外の世界や視聴者を完全に無視していかのようです。ほつれた髪は波を打ち、背景と一体化しています。僅かに微笑えんだ口元は、モナリザを連想させます。
本作は大部分を占める顔を除いて、ほとんどスケッチされておらず、未完成の様にも見えます。しかし未完成の部分と完成した部分のコントラストが絶妙で、絵画が不完全ではなく、ダ・ヴィンチは、故意に未完成の状態のままにしたのだと言われています。
ルネサンス美術に詳しいアレクサンダー・ナーゲルは、本作を次のように評しています。
「この瞳は外界の何も見つめておらず、時空を超えて停留しているように見える。この瞳は外界からの直接的な印象を受け入れるのではなく、内省を通して見つめている。それは特定の思考を越えた浮遊する心持ちであり、自己の肉体すら意識しない無自我の境地である。ここで精神世界は言葉や態度ではない絵画的効果という新たな法則によって示唆されている。」
イタリアのパルマ国立絵画館所蔵。
<MAP>

2+