受胎告知 レオナルド・ダ・ヴィンチ、アンドレア・デル・ヴェロッキオ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチと師匠のアンドレア・デル・ヴェロッキオが共同で描いた作品です。
本作は、ルカ福音書で、大天使ガブリエルがキリスト受胎を告げるために聖母マリアのもとを訪れた場面を描いています。
マリアが手にしている百合の花は処女性とフィレンツェを表しています。また、マリアの前に置かれている大理石の机はヴェロッキオが同じ頃制作したフィレンツェのサン・ロレンツォ大聖堂のピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチの墓碑彫刻をモチーフにしたものです。
ヴェロッキオは有鉛絵具を使用して大胆な筆致で描いています。これに対してダ・ヴィンチは無鉛絵具を使用した柔らかな筆致で、自身に任された背景部分と大天使ガブリエルを仕上げました。
大天使ガブリエルの翼は、ダ・ヴィンチが描いたオリジナルでは鳥の翼を模写したものでしたが、後世の画家により、長く伸びた翼に描き変えられています。
フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵。
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キリストの洗礼

この作品に描かれているのは、新約聖書の中のこんな場面です。
洗礼者ヨハネが荒れ野に現れて、罪の赦しを得させるために悔い改めの洗礼を宣べ伝えた。
(中略)彼はこう宣べ伝えた。「わたしよりも優れた方が、後から来られる。わたしは、かがんでその方の履物のひもを解く値打もない。
わたしは水であなたたちに洗礼を授けたが、その方は聖霊で洗礼をお授けになる。」
そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられた。
水の中から上がるとすぐ、天が裂けて”霊”が鳩のように御自分に降ってくるのを、御覧になった。
すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。
(日本聖書協会「新約聖書」マルコによる福音書1:4-11より)
ということで、中央がイエス・キリスト。右側で洗礼を授けているのがヨハネです。
イエスの頭上には、いままさに降りてこようとしている鳩(=精霊)と、その上にそれを遣わした神の手が見えます。
左側には洗礼を終えたイエスを迎えようと待っている天使たちがいます。
この作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチとその師匠のヴェロッキオにより描かれました。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたのは、左側の天使と遠景、キリストの足元の水と言われています。
ダ・ヴィンチが描いたところは、他と明らかにクオリティが違いますね。このレオナルドが描いた天使を見て、師匠のヴェロッキオはそのずば抜けた才能にはかなうまいと、二度と絵筆をとらなかったと言われています。
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