サルバトール・ムンディ レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの初期の作品です。
本作は、世界の救世主としてのイエス・キリストの肖像を描いたもので「男性版モナリザ」と呼ばれています。
ルネサンス風の青いローブを着用したキリストが右手の指を十字に切り、左手に水晶玉を持ち祝福の祈りをしています。サルバトール・ムンディとはラテン語で「世界の救世主」の意で、水晶玉は一般的に「天の天球」の象徴と解釈されています。
ルーブル・アブダビ所蔵。残念ながら現在、一般公開はされていません。
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受胎告知 レオナルド・ダ・ヴィンチ、アンドレア・デル・ヴェロッキオ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチと師匠のアンドレア・デル・ヴェロッキオが共同で描いた作品です。
本作は、ルカ福音書で、大天使ガブリエルがキリスト受胎を告げるために聖母マリアのもとを訪れた場面を描いています。
マリアが手にしている百合の花は処女性とフィレンツェを表しています。また、マリアの前に置かれている大理石の机はヴェロッキオが同じ頃制作したフィレンツェのサン・ロレンツォ大聖堂のピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチの墓碑彫刻をモチーフにしたものです。
ヴェロッキオは有鉛絵具を使用して大胆な筆致で描いています。これに対してダ・ヴィンチは無鉛絵具を使用した柔らかな筆致で、自身に任された背景部分と大天使ガブリエルを仕上げました。
大天使ガブリエルの翼は、ダ・ヴィンチが描いたオリジナルでは鳥の翼を模写したものでしたが、後世の画家により、長く伸びた翼に描き変えられています。
フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵。
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自画像 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの60歳の時の作品です。
多くの人に模写、模倣され、ダ・ヴィンチを代表する肖像画となってきた作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
向かって右斜め横を向いた老人ダ・ヴィンチの顔が、紙に赤チョークで描かれ、長髪と波打つ長いひげが肩から胸まで垂れ下がっています。ルネサンス期の肖像画ではこのような髪とひげの表現は珍しく、ダ・ヴィンチは、深い知性を持つ博学者の雰囲気を表現する為、敢えて、髪とひげを用いたと言われています。
顔貌はやや鷲鼻で、額から眉にかけての深いしわ、垂れた下まぶたが描かれ、小鼻から伸びた深いほうれい線のために、上前歯が抜け落ちているかのようです。前方に向けられた視線は鑑賞者の視線とは交差せず、長いまつ毛に縁どられた目は、髪とひげと相まって、厳粛な雰囲気を醸し出しています。
トリノ王立図書館所蔵。紙という素材自体がもろく、さらに保存状態も良くないことから、残念ながら常設展示はされていません。
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ジネヴラ・デ・ベンチの肖像 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
本作は、有名な銀行家の一族アメリゴ・デ・ベンチの娘、ジネヴラの結婚記念に描かれた肖像画です。この時ジネヴラは16歳でした。
それでは具体的に観て行きましょう。
描かれているジネヴラは美しいが、その表情は厳しく引き締まっています。微笑みは浮かんでおらず、前を向く視線は鑑賞者に向けられることなく超然としたものに見えます。ジネヴラの結婚は20歳以上歳の離れた政務官との結婚であり、その表情には緊張感が現れています。
本作の裏面には、裏面には「VIRTVTEM FORMA DECORAT (美は徳を飾る)」と記されています。

ジネヴラ・デ・ベンチの肖像の裏面

これは、ジネヴラの知性と有徳の象徴と言われており、月桂樹と椰子に囲まれたセイヨウネズはイタリア語で「ginepro」であり、そ の小枝はジネヴラの名前 「Ginevra」でもあります。
ワシントンDCのナショナル・ギャラリー所蔵。
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荒野の聖ヒエロニムス レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
シリア砂漠に隠遁して聖人としての生活を送っていた、西方カトリック教会の4博士の一人である聖ヒエロニムスの壮年期の姿を描いたものです。
それでは具体的に観て行きましょう。
聖ヒエロニムスは岩場にひざまずき、絵の右端にかすかに描かれている十字架を見つめています。聖人が苦痛の表情を浮かべているのは、砂漠地帯を何日も放浪し満身創痍になりながら神への祈りを捧げているからです。
足元にはライオンがいます。ヤコブス・デ・ウォラーギネの「黄金伝説」によると、ある日聖ヒエロニムスが彼の修道院の修道士に聖書を説いていると、傷ついたライオンが現れ、その傷ついた足を聖ヒエロニムスが治してやったと言われています。
聖ヒエロニムス像の斜めに捻れた形状が斬新です。聖ヒエロニムスの角張った形状と絵画底面を横切るライオンのしなやかなS字形状が対照をなしています。
バチカン美術館所蔵。
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東方三博士の礼拝 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品で、未完の傑作と言われています。東方から3人の賢者がキリストの生誕を祝福するためにベツレヘムを訪れた新約聖書の場面を描いています。
それでは具体的に観て行きましょう。
前景には聖母マリアと幼子と跪いて礼拝したマギが三角の構図で描かれています。彼らの背後には半円的な形で同行している人々が描かれ、その中には若いダ・ヴィンチの自画像(右端の羊飼いの若者)も含まれています。円形にひれ伏すような配置は、同時期の画家にはみられない、ダ・ヴィンチ独自の立体感のある構図です。また、通常は3世代(老年、壮年、青年)の姿で描かれるマギを、2人の老人と1人の若者の姿で描いています。
そして、後継に広がるのは殺戮の情景。自身の存在を脅かす救世主の誕生を恐れたユダヤ王ヘロデが、幼児を探し出しては殺していった、という場面が描かれています。
フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵。
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音楽家の肖像 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
本作は、ダ・ヴィンチ唯一の男性の肖像画です。モデルは音楽家のアタランテ・ミリオロッティと言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
肩までの長さの巻き毛を持つ男性が、赤い帽子を被って、外をじっと見つめています。彼の凝視は、彼の顔、特に彼の目に向けられた照明によって強められています。男性は、黒い衣服と下塗りの茶色がかったオレンジ色の上着、白いアンダーシャツを着ています。
ダ・ヴィンチは、見たものをそのまま描くということを「魂の動き」と表現し、写実に強いこだわりを持っていました。本作には、解剖学から学んだ人物造形が随所に現れており、髪の毛の質感から肌の色合いに至るまで緻密に丁寧に描かれています。
ミラノのアンブロジアーナ図書館所蔵。
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サーラ・デル・アッセ レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
本作はヨーロッパでも有数の規模の城塞と言われる、ミラノのスフォルツェスコ城のある部屋の天井と壁面に描かれた壁画です。ダ・ヴィンチが「最後の晩餐」を製作中、ミラノ君主ルドヴィーコ・スフォルツァから依頼を受けて描いたものです。

      スフォルツェスコ城

それでは具体的に観て行きましょう。
木々の枝を半円形状に描き、天井全体を覆ってつる棚を形成しています。いくつかの木の根は岩の層を貫通するように描かれ、それが幹、枝へと続き、幾何学的な模様をなす緑の葉が天井を覆っています。
フランク・ツォルナーは本作を観て「壁で閉じた空間を打ち破り、理想の屋外空間へと変貌させるかのようである」と述べています。
ミラノのスフォルツェスコ城所蔵。
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抱き合う御子達 レオナルド・ダ・ヴィンチ

15-16世紀イタリアの画家、レオナルド・ダ・ヴィンチを含む複数の芸術家が分業して製作した作品です。
本作は、赤ん坊のキリストが、いとこの洗礼者ヨハネを抱いた場面を描いたものです。
ダ・ヴィンチの代表作「岩窟の聖母」と同様の品質を持つ作品と言われ、赤ん坊2人の足元に描かれている、アネモネの花の描写技巧が両作品とも酷似しています。

        岩窟の聖母

ナポリのカポディモンテ美術館所蔵。
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