キリストの磔刑

16世紀ルネサンス後期のベネチアを代表する画家、パオロ・ヴェロネーゼの作品です。ヴェロネーゼは、伝統的な明暗技法のままに自然な立体表現を確立した画家と言われます。
それでは、具体的に見て行きましょう。
通常、磔刑図はキリストを中心に左右に盗賊、その下に聖母マリアや聖ヨハネを配した構図が多いですが、ヴェロネーゼは正方形の画面を対角線で区切り、片側に十字架を斜めに配し、一方を空のまま残しました。
マグダラのマリアは十字架にすがり、傍らで聖母マリアが気を失っています。
画面全体を覆う青黒い暗雲の不穏で冷たい雰囲気、電光に照らされたキリストの身体。戦慄を感じずにはいられません。
明暗技法と立体表現が見事な作品です。
ルーブル美術館所蔵
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